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「産業突然死」の時代の人生論

第128回
暴動まで起きた世界的な食料高騰

経営コンサルタント 大前 研一氏
2008年5月14日

 昨今、世界的に食料価格、特に穀物価格が高騰していることは皆さんもご承知だと思う。

 では、食料価格の高騰が引き金になって暴動まで発生している国がある、ということはご存知だろうか。それも、かなり「穏やかでない」レベルでだ。例えば、ハイチである。このカリブ海に浮かぶ島国では、食料の高騰を契機とする暴動が一週間以上も続いた。その責任から首相が解任されたほどだというから、暴動の規模の大きさもうかがい知れよう。

 ハイチはもともと「世界最貧国の一つ」と呼ばれていたほど貧しい国だ。長らく政情も不安定で、何度となく軍事クーデターも発生した。そんなハイチに希望が見え始めたのは1994年である。この年、クーデターにより米国に亡命していたアリスティド元大統領が復帰。米国の肝いりで経済復興に務める、というテレビ中継までされた華やかな帰国であった。その後、同国の経済は多少は上向いた。それでも「世界最貧国」の汚名を返上するほどでもなく現在に至っている。そこに小麦やコメの国際価格の急騰がハイチを直撃した形というわけだ。

 ハイチほど大規模な暴動ではないにせよ、似たような事例は世界の各国で発生している。コメひとつとっても、アジア各国で混乱が起こっているのだ。コメを主食とするアジア各国の動きを下に簡単にまとめてみた。例えばタイでは、コメの価格が50%も上がってしまい、「これはとても輸出などをしている場合ではない」という世論が出てきた。

 タイといえば世界最大のコメ輸出国である。気候を生かした二期作も盛んだ。いわば世界の「コメどころ」でコメ泥棒まで発生しているくらいなのだから事態は深刻である。

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