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「産業突然死」の時代の人生論

第11回
10万人の「大前チルドレン」で日本は変わる

経営コンサルタント 大前 研一氏
2006年1月11日

かつてないほど優秀な学生に恵まれて

 2005年の4月にビジネスブレークスルー大学院大学(BBT大学院大学)を開校して以来、かつてないほどの忙しさに見舞われている。同校の運営母体である(株)ビジネスブレークスルーの上場(昨年末)、引きも切らない見学や提携の申し込みへの対応…。何しろ国内外の有力大学や文科省の関係者までが「ノウハウを知りたい」「教育プログラムの参考にしたい」とBBTを訪れてくるのである。もちろんBBTでは文科省に認められた大学院以前に、既に経営者の勉強会である『経営塾』やオーストラリアのBOND大学と提携したMBAコースなどをやってきている。しかし、規制緩和特区を使ったオールサイバーの自前の大学院は初めての経験であった。

 この大学院では通常の講義とその準備、そして学生とのディスカッションがある。これらがまた生半なことではないのだ。しかし一方で私は、この忙しさに大いなるやりがいを感じてもいる。というのは、BBTには私の想像をはるかに上回る数の優秀な院生が集まってくれているためだ。一緒に講義をしてくれている専任教授方は、異口同音に遠隔授業でここまで活発にしかも的確に反応が返ってくるとは想像だにしていなかったと語っている。よその学校で教えた経験を持つ先生は、「学生の反応がまるで違う!」と驚嘆しているくらいだ。

 それはそうだろう。大学院とは言うが、われわれの学生は平均年齢が30代後半。仕事も10年以上経験し、現場の第一線で活躍中の人である。だから、働きながら勉強するしか方法がない。通常の大学を出てそのまま進む大学院ではないのだ。また、文科省は大学院をアカデミックなところと捉えているが(先日も進捗状況の定期監査に来た連中はそうした質問ばかりしていた)、BBT大学院は経営者になるべく実務的なことを実務的な人が教えている。既存の大学院とは違うのだ。卒業して頭でっかちになるのではなく、仕事を頼まれれば、すぐに解決策を起案、実行できるようにあらゆる角度から訓練しているのだから。

 優秀な学生はどこまでも限界なく教えることができる。飽くことなく貪欲に知識を吸収していこうとするからだ。だから講師は「あれも教えよう、これも教えよう」という気になる。またクラスメイトが優秀だから、他の学生も「あ、これはうかうかしていられないぞ」と思い、いっそう頑張る。そういう理想的な循環がBBTにはある。もちろん講師も知的な刺激を受ける。そんなわけで私は今、「教えること」を心から愉しんでいるのだ。

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