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「産業突然死」の時代の人生論

自身のマイナス面は見えていない

 第四のマイナス材料は、今年8月に開催される北京オリンピックだ。中国政府はオリンピックに向けて数多くの設備を用意してきた。しかし永遠に続く設備投資など存在するはずはない。つまり中国におけるオリンピック景気は、もう頭打ちなのである。そうなれば、当然消費も陰る。さらにチベット問題で中国バッシングが続くと、聖火リレーだけでなくおそらくオリンピック自体もあまり盛り上がらないことが予想される。「モスクワの悪夢」の再来である。

 これらのマイナス材料が、2008年の3月の1カ月で、非常に加速した。ところが中国人自身は、そういうマイナス面が見えていない。坂の上の雲を見ながら、まだまだ行けると思いこんでいる。企業も株価収益率50倍が当たり前と思い込んでいるし、若干の調整はあっても不動産はまだまだ上がると思っている。輸出に陰りがでたら内需でしばらくは行ける、と考えている人が多い。90年代初期の日本で景気が持ち直すと考えていた人が大多数であったように、また株価も6万円は無理としても3万5000円回復は時間の問題、と考えていたように。

 当時はほとんどの総研と称するところが「年初は厳しさが続くが、秋口には景気が回復する」という予測を毎年繰り返していた。わたしが東証上場企業の実力は1万2000円、ヘタをすると9000円ということもあり得る、と月刊誌などで分析しているときに、多くのエコノミストは株価も2万3000円に、などとやっていた。

 中国はこの1年半で皆が宇宙遊泳状態になったので、一斉に投資を開始し、日本の80年代と同じく海外の企業のM&A案件が舞い込み、少しましな企業家たちは海外の(企業)ショッピング旅行で大忙しである。

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