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「産業突然死」の時代の人生論

「太平洋2分割支配」を提案した中国軍幹部

 中国のこれからを展望するに、気になるのは国内問題だけではない。中国は現在急成長を遂げ、経済第2位の日本をもあと数年で追い抜こうというところに来ている。その中国は、世界の中でどういう地位に就こうとしているのだろうか。

 それを端的に示す出来事があった。米国のキーティング太平洋軍司令官が中国軍の幹部と会談した際に「空母を開発するから、ハワイから東を米国、西を中国で管理しないか」と提案されたのである。つまり、太平洋を米国と中国で2分割支配をしようと呼びかけたわけだ。キーティング司令官は、その発言を冗談ととらえたようだが、一方で中国軍の戦略的な考え方を示唆しているという見解を述べた。

 まずその中国軍の幹部は、米国の考え方を勘違いしている。そもそもなぜハワイを基準に分割などと言うのか。米国軍の第7艦隊のヘッドクォーター(本部)がハワイだと誤解しているのではないだろうか。

 ご存じのとおり、第7艦隊のヘッドクォーターは日本の横須賀基地である。寄り道として、ハワイやサンディエゴに寄港することもあるが、ヘッドクォーターは横須賀なのである。それはなぜかと言えば、日本が思いやり予算で費用を持ってくれるからという理由はもちろんだが、横須賀が地理的にも管理地域の中央に位置し、中国へのけん制も効く絶好のポジションだからだ。

 そしてその守備範囲は太平洋だけではない。米国の西海岸から中近東までの広大な範囲を第7艦隊が管理しているのだ。まさに世界最強の海軍である。中近東、インド洋全体、太平洋を管理する第7艦隊が、太平洋の西側だけを中国に譲り渡すことがあろうはずがない。

 それを理解していれば、「ハワイを基準に東西分割支配」などというのんきな提案をするはずがないのだ。そういう見識の低い中国軍の幹部がいて、彼らが軍艦に乗って、日本の周りの海を走っていると思うと、ちょっと恐ろしい気がする。それに対して日本政府が無反応なのもうなずけない。横須賀を提供している(あるいは依然として占領されている)意味が分かっていないのではないか、とさえ思える。

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