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「産業突然死」の時代の人生論

「10年後、世界最大の経済圏はEU」

 一方の法人税に関しては、これはもう待ったなしだ。アイルランドの12.5%からドイツなどの40%までさまざまである。そのために企業はまさに税率の低いところに本社を移してしまう。スウェーデンからは、重電のアセアや製薬のアストラがそれぞれブラウン・ボベリ(スイス)やゼネカ(英国)と合併することを口実に本社を移したのは有名な話しだし、テトラパックはスイスに本部を移している。

 ドイツの企業もEUの平均税率である25%くらいの国に本拠を移す計画を持っており、これを見抜いたドイツの当局は既に35%、そして2010年までには28%に法人税を下げると宣言している。そのように宣言してしまえば、移転費用や、国民から非難を受けるマイナスを考えて、「数年のことなら‥‥」と我慢すると読んでいるのであろう。

 EUという壮大な実験はまだまだ続いている。税金のシステムについても国民国家時代のものでは成り立たない。一方、小回りの利く小国が制度をどんどん変えて、企業や裕福な個人を選別的に取り込んでいくのをそのまま放置していては大国はやっていけない。こうした問題は欧州を統一していくなかで、解決しなくてはいけない問題ではあるが、今の段階で答えがすべて分かっているわけではない。にもかかわらず、EUは巨大な超国家としての姿を徐々に現してきており、当初予想されたよりも難問を次々に克服していっている。

 その中で通貨ユーロは次第に強化されてきており、また流通量もドルに次ぐものとなっている。旧共産圏の取り込みも10カ国に広がり、一定のめどがついてきている。今後はウクライナ、グルジア、ベラルーシなどを経て10年後にはロシア、そして懸案のトルコもメンバーとして取り込んでいくだろう。「21世紀はBRICs」と相場が決まっているような印象を持っている人も多いだろうが、「10年後の世界最大の経済圏はEU」というのがわたしの想定である。

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