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「産業突然死」の時代の人生論

第119回
いよいよ瀬戸際、新銀行東京

経営コンサルタント 大前 研一氏
2008年3月12日

 当連載の68回、『“東京都の銀行”、巨大赤字の真相』で、石原慎太郎・東京都知事の肝いりでスタートした新銀行東京について述べた。詳しい内容はリンクをたどっていただくとして、ここでは簡単な概略だけ記しておこう。

 実はこの銀行のオリジナルプラン(メトロポリタン銀行)を出したのは、他ならぬこのわたしだ。実際にスタートするまでの間に紆余曲折があり、本来の目的や構想からずれていった。あげく、都知事の考えで「中小企業とベンチャーへの支援」が最大の目的ということになり、当然のごとく破綻しかけている――。

 さて、「案の定」と言うべきか「残念なことに」と言うべきか、新銀行東京は現在、かなりの瀬戸際に立たされている。報道によれば累積赤字が出資金の8割にまで届こうという、あり得ない状況に陥っている。恐ろしいことだ。銀行の放漫経営、そして経営悪化・吸収合併という例は決して珍しいものではないが(石原知事が会見で主張しているように、新銀行東京が放漫経営であったかどうかはとりあえず置くとして)、ここまで悪化した例は過去にあまり類を見ない。

 当然、ここで「この銀行はつぶす」「いや、手を貸して救う」という二つの選択肢が出てくる。石原都知事が選択したのは後者だった。彼は東京都の議会に400億円の追加出資を求めた。「店じまいすればさらに多額の財政負担が必要だから」と、石原都知事は追加出資の正当性を強調している。

 だが、追加出資については都民からの厳しい意見も多い。税金を投入してまで延命させることに賛成ではないのだ。当然の反応というべきだろう。

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