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「産業突然死」の時代の人生論

第117回
米政府がメガバンクを救済する可能性

経営コンサルタント 大前 研一氏
2008年2月27日

 今年(2008年)2月初旬、都内で開かれていたG7(7カ国財務相・中央銀行総裁会議)は、共同声明をまとめて閉幕した。当コラムの読者には説明の必要がないかもしれないが、G7に含まれる国は、米国・英国・ドイツ・フランス・イタリア・カナダ、そして日本の7カ国。これらの国の財務担当大臣と中央銀行の総裁が集まって、世界経済について話し合ったわけである。

 共同声明では、世界経済については「よりチャレンジングな環境に直面。不確実性が増している」と分析、経済のファンダメンタルズについては「引き続き堅固」としつつも「足下で短期的に成長は減速する」との見解を示した。確かに、世界経済は明確に減速し、大きなトラブルを抱え込んでいる。米国のポールソン財務長官は「我が国の銀行は一刻も早く増資して、資本を安定させないといけない」と訴えていた。

 これはごくまっとうな見解だと思う。思うのだがしかし、これは間違った見解である。米国の大手金融機関は既に民間からの増資では救えないかもしれない、というところに来ている。英国やドイツが国家または公的機関による救済を発動したように、サブプライムで傷ついた金融機関は金融システム全体を揺るがしかねない危険な状況にある。米国のメガバンクもそういう状態になっていると思われ、一刻も早く国家がセーフティーネットを敷かなくてはいけない。

 ブッシュ大統領の16兆円に及ぶ景気刺激策も、バーナンキFRB議長の矢継ぎ早の金利引き下げも、銀行救済には効き目がない。ブッシュ大統領もポールソン長官も議会を通さなくてはいけない救済策は持ち出したくない。すんなりと議会が認めるとも思えないし、またその議論が世界のさらし者になれば、その間にガラ(株式の全銘柄が極めて急激に大きく下がること)が起きるかもしれない。だから「世界のみなさん!よろしくね」みたいな意味不明の演説を繰り返していたのだ。

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