第116回
FRBの利下げ、わたしはこう見る
経営コンサルタント 大前 研一氏
2008年2月20日
FRBが1月末、0.5%の利下げをした。これで米国の金利は年3%にまで引き下げられる。以前のコラムでも触れたが、FRBとは連邦準備制度のことで、中央銀行(日本でいえば日銀だ)に当たる役割を持っている。もっとも米国には地域ごとに中央銀行のようなもの(連邦準備銀行)があり、それらを連邦準備制度理事会が統括している形を取っているので、日本銀行とはシステムが異なるのだが。
FRBは利上げ・利下げという手段を使い分けることで、米国経済と金融市場の安定化を図っている。その金利のなかでも最重要とされているのが、政策金利であるFF金利だ。FFとは「フェデラルファンド」の頭文字を取ったもので、民間銀行の間で貸借するお金のことを指す。日本でいう公定歩合だ。そのFF金利の率はFRBの関連機関であるFOMC(連邦公開市場委員会)で決めている。
FF金利は景気や市場とどう関係しているのだろうか。一般にFF金利が上がる、つまり短期金利が上がると、株式市場は下がる。逆にFF金利を下げると、株式市場は上がる。このようにしてFF金利を上下させることで、経済と市場を管理しているのがFRBの仕事なのである。
前述のようにFRBは、このたびFF金利の誘導目標を年3%に設定した。ここ数年は4〜5%という金利だったのだから、3%という数字は「ずいぶん低い」という印象を持つだろう。特に最近は利下げが続き、先日も世界の同時株安を受けて、0.75%の緊急利下げをしたばかりだ。それに続いて、さらに0.5%下げたのだから、1週間あまりで1.25%も下げたことになる。
次ページのグラフは、1999年以降の金利の推移を示したものだ。最近の利下げのスピードが、いかに早いかがよく分かる。
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