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「産業突然死」の時代の人生論

アナリストでさえ異例の悲観的なレポート

 今後の動きをアナリストがどのように見ているかを紹介しよう。

 投資家向けにアナリストのレポートが配信されているのだが、HSBCのスティーブン・キングとスチューワート・グリーンが書いたレポートは非常に悲観的だった。タイトルは「サブプライム後の恐怖」である。ここまで悲観的観測が書かれるのは、投資家向けレポートとしては極めて珍しい。

 そこには、サブプライム問題が鎮静化しても世界経済のリスクは残ると指摘されている。先進諸国では信用逼迫(ひっぱく)と住宅市場の悪化が懸念要因となり、インフレ再開の脅威が迫っているというのだ。

 彼らの指摘が示すように、サブプライム問題があまりにも大きく広がって、仕組み債がまったく信用されなくなっている。サブプライムローンは、住宅ローンだけを小口債券化したものだが、他の小口債券化したものへの信頼がまったくなくなってしまった。それらを組み込んだファンドを誰も買ってくれなくなった。

 これは何を意味するのか。ここ10年くらいの金融技術は、なんでもかんでもひたすら小口債券化してファンドに組み込んできた。それがすべて麻痺してしまったのだ。これは非常に大きな問題だといえる。

 もう一つは、調子がいいといわれている新興国でのインフレリスクの懸念だ。新興国の経済が本当に伸びていればいい。しかし、いまは経済規模以上のお金が新興国に流れ込んでいる可能性がある。もしそれが事実なら、見かけの好況は実は単なるインフレということになる。その結末もやはり、97年に経験した「アジア危機」と同じような大幅な調整だ。

 しかし、何だかんだと言ってもこれが1929年の時のような大恐慌になったり、長期にわたる不況につながったりということは考えにくい。今、世界には先進国やアラブ諸国のマネーがさまよっている。その“ホームレスマネー”は総計で6000兆円もあると見られている。したがって、本当に経済が落ち込めば、底値で買いが入る。つまり、昔と違って皆が落ち込んだら、一斉に買いが入るような構造になっているのだ。

 だからむしろ、躊躇(ちゅうちょ)しないで落ち込むべきは落ち込ませて、買いを誘うようなことをしたほうが快復は早い。90年代初期の日本政府のように高止まりさせたまま市場機能を停止した方が傷は深く、快復は遠い。日本の苦い経験を世界が共有するべき時に来ている。

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