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「産業突然死」の時代の人生論

第106回
YouTubeというマーケティング手法

経営コンサルタント 大前 研一氏
2007年12月5日

 YouTube(ユーチューブ)はチャド・ハーレー、スティーブ・チェンという2人の若者がカリフォルニア州サンマテオで2005年に設立した動画共有サイトである。翌06年10月、約16億5000万ドル相当の株式交換でインターネット検索のGoogleに買収された。

 YouTube はサービス開始から1年足らずでテレビなどマスメディアや企業のマーケティングに大きな影響を及ぼし、ネット利用者のカルチャーをも変えてしまった。

 わたしは YouTube がサービスを開始した当初からAlexa.comやGoogle Counterを使ってアクセス数をプロットし、同時にトラフィック、世界のどの地域からのアクセスが多いかを観察していた。すると2006年の6月に入って、日本からのアクセスが急増したことが分かった。地域的には東京都北区がトップである。都市在住の高校生たちが、「わたし、○○のビデオ撮っといたから見てみて」といった仲間同士のやり取りに使い始めたのだ。

 駅の伝言板にメッセージを残すような感覚である。彼らにしてみれば、ビデオを張りつけてみんなで見られさえすれば、そのサイトが日本にあろうと米国にあろうと関係ない。第三者に見られるかもしれないといった懸念もあまり持っていないようだ。

 その後、YouTube へのアクセスは世界中から激増し、9月ごろにはビデオ投稿サイトでの一人勝ちが明らかになった。YouTube 人気の沸騰に関しては米国より日本が先行していた。その意味で YouTube を最初に「発見」したのは、日本の高校生だったと言えるだろう。創業者たちもこのような現象が起こることは想定していなかった、と認めている。現在でも YouTube へのアクセスに占める日本人の比率はきわだって高い。

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