携帯電話でも繰り返された「失敗の構造」
この惨敗の有様を見て、わたしが思い出すのは携帯電話での失敗だ。
携帯電話では、国内メーカーは大失敗をしている。日本だけを見ていれば、国内メーカーも健闘しているじゃないかと思っている人も多いだろうが、世界規模で見ると日本の携帯電話は惨敗なのだ。日本の携帯電話市場は世界と比べると独自規格が多い。販売のシステムもまったく違う。そのため世界標準で戦うための力がない。結果的に国内でのシェア争いにばかり目を向けており、世界市場のなかでは日本のメーカーの影が薄くなっているのだ。
既に携帯電話の世界市場は寡占状態に移行しつつあり、上位4社でほぼ決まりといえる。それはモトローラ、サムソン、ソニー・エリクソン、ノキアである。かろうじてソニーの名前が入っているものの、純粋な国内メーカーの名前はそこにはない。
さて、改めてPC市場を見てみると、携帯電話と同じように「国内では強いが、世界では弱い」という構造が見えてくる。かつてNECはPC-9800シリーズで国内のシェアを独占していた。しかし、独占できていた当時と今とでは状況が大きく異なっている。
PC-9800シリーズが日本で強かったのは、当時の海外メーカーのPCでは、日本語表示の技術に難があったために、入り込めなかったことが大きい。しかし、1990年以降のDOS/V、日本語版ウィンドウズの登場により、外国のPCでも日本語表示の問題が解決され、どんどん外国製PCが日本に入ってくることになった。
それに対して、国内メーカーの海外展開はいまひとつの状況だった。NECがパッカードベルに手を出すなどの例もあったが、結局撤退している。携帯電話と同じ物語が90年代初頭には誕生していたというわけだ。
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