動画サイトへの番組アップ、検証目的は合法化すべき
外部委員会が3月23日に提出した報告書を受けて、関西テレビは検証番組を制作し、フジテレビ系列は同検証番組「私たちは何を間違えたのか 検証・発掘!あるある大事典」を、4月3日、全国で放送した。
番組はそれなりに真摯(しんし)に作られたものだったとわたしは思う。しかし、この番組で問題が解決したとはとても思えない。
フジテレビが検証番組を放送する裏で、TBSは細木数子とショー・コスギの対談を流していた。日本テレビは相も変わらぬUFO番組を流していた。
これが日本の地上波テレビ放送の現状だろう。
一部では放送内容に対する法的規制という意見も出ているが、公的権力が放送内容に介入するのは民主主義国家にはふさわしくない。放送の内容は、あくまで多くの国民の合意によって検証され評価されるべきである。
わたしとしては、メディアの腐敗は新たなメディアとの競合によって正常化するしかないだろうと考えている。
インターネットではここ数年で動画を公開するサイトが急速に普及した。現状、各テレビ局は、動画サイトに対して強い警戒感を抱いている。番組を勝手にアップされるのは著作権法違反だが、膨大な数の動画がアップされる現状で、すべてをチェックし、削除要請を出すのはかなりの労力を要するからだ。
一方、動画サイトには検証目的で、さまざまなテレビ番組の、疑問に思えるシーンもアップされている。しかし現状ではこれらも著作権法違反とされ、見つかれば削除の対象となる。
わたしは著作権法を改正し、テレビ番組内容の真偽に関する検証に必要な映像は、不特定多数による動画サイトへのアップを合法化すべきと考える。問題の番組は、誰もがいつでも閲覧できる環境を作り、ネットにつながる人々皆が考え、自分の意見を表明する環境を作り、トータルの情報環境の中で、テレビ番組に自浄作用が働くようにすべきではないだろうか。
そもそも、テレビ番組の制作者には、「番組は電波と共に流れていってしまい、後には残らない」という意識がかなり強い。流れていってしまえば、残るのは視聴者の記憶の中のみ。多少のウソも流れていってしまうならば結果オーライというわけだ。
しかし、各家庭に録画機器が普及し、インターネットで動画サイトが登場した今、いつまでもテレビ草創期の生放送がすべてだった時代の意識を引きずられても困る。
「怪しい映像は合法的にネットに残り続ける」という状況を作ることで、テレビ局の番組制作に対する姿勢を正す。それが、「あるある」のような番組が再度出現することを防止することにつながるのではないだろうか。
本書は、事件が起きるはるか以前に、「発掘!あるある大事典」「同II」という番組の問題点を指摘していた。読み終えて思うのは、「なぜわたしたちは、もっと早く問題に対処できなかったのか」ということだ。
ことは単に関西テレビ、日本テレワーク、そして孫請けの制作会社を責めて済む問題ではない。
彼らがねつ造した番組を喜んで見て、視聴率を押し上げていたのは、他ならぬわたしたち自身なのである。
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