ほんの少しの科学知識と常識で見抜けるウソ
本書には、この「にがりでダイエット」を筆頭に、「あるある」が流したウソを検証していく。
「寒天でダイエットできる」という回は、寒天が品不足になるほどの寒天ブームを引き起こした。寒天には糖分や脂肪の吸収を阻止し、代謝を上げる働きがあるとした内容だ。しかし、著者の分析によると「栄養皆無の寒天を食べれば、その分他の食事を食べる量が減るのは当たり前。実質的な絶食と同じ」ということになる。
「豆乳でダイエット」という回は、「大豆に含まれるサポニンが代謝を上げる」という内容だった。これも著者にかかると「腹に重くたまる豆乳を食前に飲めば、その分食事量が減るのが当たり前」と解説される。
このような、科学的に効果が確認されていないものを「ダイエットに効く」というだけではなく、「あるある」は、科学の振りをした疑似科学、いわゆるニセ科学の領域にも踏み込んでいく。
血液型別性格診断を信じている人は多いだろう。「あるある」もまた「血液型で性格が分かる」という内容を放送した。しかし実際には、血液型と性格との関係は、科学的に完全に否定されている。「あなた何型」と聞いたところで、性格とは全く関係ないのだ。
「マイナスイオンが健康によい」という俗説が存在する。「あるある」もまたそれに乗って番組を制作した。しかし実際には科学が定義するところの「マイナスイオン」には、健康にいいも悪いもない。なんとなく科学的に思える「マイナスイオン」という言葉に、皆踊らされているだけなのだ。
「肥満には体内の脂肪球に古い脂肪分がたまって固まったセルライトが関係する」という俗説がある。「あるある」もまた、それに乗って「肥満の原因であるセルライトをなくすにはマッサージで脂肪球から古い脂肪を押し出すと良い」と放送した。
ところが、実際には古い脂肪がたまったセルライトなどというものは存在しない。そもそも、人間の細胞はマッサージ程度で中から脂肪が出てくるようにはできていない。
「もし外から腕を軽くつまんだぐらいで細胞の中の成分が出てくるとしたら、体重がもろにかかっている脚の細胞などからは、次々と細胞内の成分がしみ出してくることでしょう。そんなことになったら、人間は動き回るどころか、自重を支えることさえ不可能になってしまいます。」(本書 p.71)
著者が検証に当たって使うのは、ほんの少しの科学知識、そして常識だけだ。たったそれだけで「あるある」が垂れ流してきたウソが次々に明らかになっていく。
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