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書評

松浦 晋也氏
2007年4月20日

「また「あるある大事典」にダマされた。」

また「あるある大事典」にダマされた。

鷺一雄著
三才ブックス
2006年5月発行
1200円(税込み)

 フジテレビ系列の関西テレビ放送が制作するバラエティ番組「発掘!あるある大事典II」が「納豆を食べるとやせる」という主旨の放送を行ったのは、今年(2007年)の1月7日のことだった。反響は大きく、全国各地で納豆が売り切れる事態が発生した。

 ところが、これはウソだった。反響のあまりの大きさに、内容に疑問を持った関西テレビは内部調査を開始し、1月20日に「番組内容に虚偽が含まれていた」と発表した。研究者が話してもいないことを字幕スーパーに表示して話したことにしたり、実際には行っていない実験のデータをねつ造したりして、「納豆を食べると新陳代謝が良くなってやせる」という主張がさも事実であるかのような番組を仕立てていたのである。

 テレビのバラエティ番組がウソを事実として放送した ―― 問題は関西テレビ一局にとどまらず、社会問題化した。

 調査が進むにつれて、同番組のねつ造がこれにとどまらないことが明らかになっていった。3月23日、関西テレビが任命した外部有識者による調査委員会が報告書を出した。報告書は15件の「不適切と考え得る」番組内容の放送があったと指摘した。

 しかし、実際問題として、だいぶ以前から「発掘あるある大事典II」は、インターネットにおいて「ひどい嘘つき番組」として話題になっていた。本書は、化学メーカーの研究員を本職とし、教養系番組・ドキュメント番組を視聴するのが趣味の著者が、自分のホームページ「教養ドキュメントファンクラブ」に書いていた番組の感想を基本に、一冊の本としてまとめたものだ。

 「なんだ、事件に合わせて売れ線狙いで出した本か」と思ってはいけない。本書の奥付にある刊行日は2006年5月25日。関西テレビが内部調査を発表する8カ月も前に出た本なのだ。

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