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最近、小さな子供が犠牲になる痛ましい事件が相次いでいる。子供の安全をどう確保するかは、個々の家庭や学校の問題から、社会全体で取り組むべき問題となりつつある。
そうした中で子供の防犯対策の1つとして注目を集めているのが、GPS(全地球測位システム)や無線通信を利用した「位置情報サービス」だ。これは、外出している子供がどこにいるかをPCや携帯電話を使って確認できるというサービス。さらに、代表的な位置情報サービスである「ココセコム」では、万一子供にトラブルが発生した場合に、家族からの要請に応じて現場に急行するなど利用価値の高いサービスも提供している。

子供を狙った犯罪報道を目にする機会が増えている。昨年後半には学童が犠牲となる凶悪な事件が起こり、小さな子供を持つ親はもちろん、社会全体に大きな不安が広がっている。

 警察庁のまとめによれば、子供が被害者になった犯罪件数は平成16年で約355,000件余、全刑法犯罪の被害件数の1割強を占める。また、誘拐やわいせつ行為などの犯罪では子供が被害者となる割合が高い。略取・誘拐事件の約半数は12歳以下の子供が被害者になることが多い。特にこの数年、子供を狙った略取・誘拐関連の届け出は増加傾向にある。

出典:警察庁統計「平成15年の犯罪情勢」

子供の安全をどう確保するか。続発する事件を受けて、全国の自治体、地域や学校は独自にさまざまな安全対策を検討し始めている。また、文部科学省では、「子供安心プロジェクト」の1つとして、こうした全国で行われている子供の安全対策とその効果をデータベース化したネットワークシステムを稼働させる予定だ。

 子供を守るための防犯商品やサービスへの関心も高まっている。防犯ブザーや笛、撃退スプレーなどの防犯グッズ、GPSや無線通信などの最新技術を利用したサービスなどが広く使われ始めた。個々の家庭での利用はもとより、学校や地域で導入するケースも増えつつある。総務省では、子供を守る新技術の活用事例の収集を始めている。他の地域での利用検討に役立てていくという。

 
ココセコム本体 名刺サイズの大きさで質量も約53gと携帯しやすい

こうした活用事例の中で、特に注目を集めているのがGPSを利用した位置情報サービスである。このサービスの代名詞にもなっているセコムの「ココセコム」がスタートしたのは2001年。同社では当初、認知症の老人の救護を想定していたが、並行して子供たちの安全確保のニーズが上回ったという。現在「ココセコム」の利用数は、約253,000件に上ぼる(2005年9月末現在)。

 サービスの仕組みは簡単。子供に「ココセコム」の専用端末を携帯させる。名刺サイズで約53gの小さなGPS通信端末である。子供の居場所を確認したいときには、セコムの「ココセコム」オペレーションセンターに電話で問い合わせるか、自身でPCや携帯電話を利用して専用ホームページにアクセスしてもいい。GPSと携帯電話の基地局を利用した位置検索システムにより、現在の子供たちの位置が地図上に表示される。

 「ココセコム」のサービスでは、こうした位置情報サービスに加えて、子供たちに万一のトラブルが発生した場合、家族などの要請があればセコムの緊急対処スタッフが現場に急行し、子供の捜索や安全確保に努めるというサービスも合わせて提供している。また、携帯する専用端末には緊急時の通報信号発信の仕組みが組み込まれており、ボタンの操作で通報信号がセコムに送信される。オペレーションセンターでは即座に緊急連絡先に連絡し、要請があれば現場にかけつける。こうしたサービスは24時間、365日の対応であり、大きな安心につながっている。このほか、携帯端末へ信号を送信し安否を確認する「しらせてコール」など、利用価値の高いさまざまなオプションも用意されている。

※ 衛星からの信号や電波の状況により測位誤差は変動します。
位置情報サービスのしくみ

最近では携帯電話やPHSのGPS機能を使った位置確認サービスなども登場しているが、「ココセコム」が広く利用されている理由は、子供たちの安全・安心を確保する付加価値の高いサービスがついている点が大きい。また、専用端末なので携帯電話などと比較して利用コストを抑えることができる。加入料金や月々の基本料金が安いだけでなく、子供たちが携帯電話やPHSを勝手に利用して別の危険にさらされるという心配もいらない。学校によっては授業の妨げになる携帯電話やPHSの持ち込みを禁止しているケースも多い。

 さらに、どれほど正確に居場所を特定できるかという位置精度の面でも「ココセコム」のメリットは大きい。「ココセコム」の場合、GPS情報を携帯電話通信網を補完して利用するため、地下や市街地でも一定レベルの精度を保てるようなシステムとなっている。子供たちが犯罪に巻き込まれる際には、人気のない所へ車で連れていかれるケースが多いという防犯の視点で「ココセコム」はすぐれている。

 セコムでは、「ココセコム」に敢えて防犯ブザーを組み込んでいない。例えば子供が誘拐された場合、防犯ブザーが鳴ると犯罪者に察知され端末は捨てられる可能性が高いからだ。万一、子供が誘拐されたときでも、犯罪者に気づかれることなく、その位置を把握できる。その意味では、「ココセコム」は子供を救出する「最後の砦」として機能する。

 最近では、「ココセコム」の端末を組み込んだランドセルや制服も登場して人気を博している。子供たちの安全を確保する基本的なシステムとして、「ココセコム」が広く使われそうだ。
 

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