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新規制で変貌する米金融業界のIT

2007年4月6日 15時9分

ITが金融機関のビジネスに大きなインパクトを与えている。金融先進国の米国では、新たな規制に伴って「取引を自動化するIT」の注目度が急上昇。IT武装による顧客獲得競争が激化していると同時に、顧客サイドも投資収益のアップを企図して取引システムを意欲的に導入している。その動きは個人投資家向けサービスにも広がっている。一方で、金融機関を狙うIT犯罪も増加。連邦法の改正によって、米企業はすべての電子メールの保存を義務付けられるなど負担も重くなっている。

ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)9人、リーマン・ブラザーズ(Lehman Brothers)6人、バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)40 人……。今年になって米金融機関の証券部門が証券取引所の立会場要員を解雇するという報道が相次いだ。証券取引所の立会場を経由した伝統的なフロアー取引から、より効率的な電子取引へシフトしていることを象徴する動きだ。

レギュレーションNMSのインパクト

こうした動きを促す主因は、米証券取引委員会(SEC)が施行した新ルール、レギュレーションNMS(National Market System)だ。NMS は「全米市場システム」と訳される。情報や取引の分散化で市場全体の効率性を低下させる「市場の分裂」(market fragmentation)を回避することが目的。ニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダック市場から地方証取、さらにECN(電子証券取引ネットワーク)の起源となった第三市場と呼ばれる私設取引所や代替取引システムなどまで、米国内で複合・重層化してきた株式市場の統合を目指す。今回施行されたレギュレーションNMS は、これまで制定された関連規則を再整理し、現在の市場環境の変化に対応するために導入された改正ルールだ。

レギュレーションNMSの下では、これまで弱小と見られてきた地方証取やECNが、NYSEやナスダックと互角に競争することになり、証券取引所競争の構図が大きく変化することが予想される。証券取引所に注文を出す証券会社の株式売買仲介ビジネスも大変動しつつある。

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