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不二家事件で痛感した「内部統制」の限界

2007年1月15日 16時34分

「マスコミに発覚すれば雪印乳業の二の舞となることは避けられない」---。

洋菓子に消費期限切れの牛乳を使っていたことが発覚し営業停止に追い込まれた不二家では、昨秋実施した社内調査の報告書にこんな内容が記述されていたという。問題発覚から公表まで2カ月もかかったことについて、同社の藤井林太郎社長は記者会見で「意識が及ばなかった」と釈明した。

こうした不二家に関する一連の報道から、筆者は企業のリスクマネジメントについて、2つのことを痛感させられた。

1つは、「内部統制」は必ずしも“日本版SOX法への対応”だけではない、ということだ。これはある意味で当たり前のことだが、不二家事件の経緯が明るみになるにつれて、この当たり前のことを改めて再認識させられたのである。

現在、国内の上場企業や、そのシステム構築・運用を支援するITベンダーの間では、金融商品取引法(米国SOX法=企業改革法と同様の条項を含む法律で、2006年6月に国会で成立)が適用される2008年度(2009年3月期)に向けて、内部統制の整備・評価・監査の仕組み作りが本格化している。同法でいう内部統制は、あくまでも財務報告の適正性を確保することが目的であり、財務報告にかかわる重要な業務プロセスの可視化や、その業務プロセスにおけるリスクの洗い出しと対処が活動の中心となる。

米エンロンの倒産や日本のライブドア事件からも分かるように、財務報告の虚偽・不正は、深刻な経営危機に直結するが、もちろん経営危機をもたらすのは財務報告だけでない。食品会社であれば、商品の品質や安全性にかかわる虚偽・不正は、企業経営そのものの土台を揺さぶりかねない。このことは、不二家の報告書で触れている雪印乳業の集団食中毒事件(2000年)から2年後に起きた、雪印食品(当時)の食肉偽装事件が証明している。

不二家の一件ではその後の調査で、一部工場の製造記録台帳に、原材料の仕入れ日や消費期限などが記録されていなかったことが判明している。これは、食品会社にとっての基幹の業務プロセスにおける重大な欠陥だ。こうした業務プロセス上の問題を可視化し、その欠陥によって発生しうるリスクへの対処方法を策定することは、内部統制の活動にほかならない。

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