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米国メールセキュリティ最新事情(後編)
ネットそのものの脆弱性が犯罪行為の原因 根本的な発想の転換が必要な時期に

2007年1月4日 15時53分

前編(2006年12月17日掲載)では、米国のメールとネットを巡る最新状況を紹介した。ICT技術が犯罪に使われているインターネットの現状は深刻である。もちろん、国もプロバイダーもユーザーも手をこまねいて見ているわけではない。新たな技術の導入、法整備など様々な観点からの対応が取られている。

しかしそれらの対応は、あくまでも“対症療法”でしかない。オープンネットワークというインターネットの特性自体が、金銭的な見返りが期待できるbotやスパムといった犯罪行為を低コストで可能にするという脆弱性を内包していることが、根本的な問題なのだ。

だからといって、もはやネットワークなしでビジネスは成立しない。「企業間ネットワークの未来はどうなるのか?」「インターネットはこれからどうなっていくのか?」、そして「ユーザーは何をどうすればいいのか?」──米MX Logic社のCTO(最高技術責任者)であるScott Chasin氏に聞いた話を引き続き紹介しよう。

ISPの取り組み──技術では超えられない法律の“壁”に苦戦

──スパムメールの被害が予想外に広がっていることに驚きました。米国のISP(インターネットサービスプロバイダー)では、これらのスパムメールに対して、どのような対策をとっているのでしょうか。

Scott Chasin氏: 方向性としては、自社のメールサーバーに入ってくるもの(ビジネスに不要なスパムメール)をフィルターするという、ある意味、“受身の管理”に加え、自社のメールサーバーに向けて外部からスパムメールが発信されないように管理することが重要です。ネットワーク内に流れ出すスパムメールの量を各ISPが減らせれば、全体としてスパムメールの量を減らすことができます。

しかし現状では、主に法律的な問題があり、送信されるスパムを完全に遮断することはできません。というのも、送信されるメールの内容はユーザーのプライバシーに該当するので、ISPなどが勝手に中身を見ることには法律で許されないのです。

ITU(国際電気通信連合)のテレコミュニケーション部門では、ISPに対して自社のネットワークから発信されるスパムを監視することを義務付け、怠った場合は罰則を与えるような法律を制定すべきだというアイデアを出しています。今後は、法的にも政府が規制をする方向に進むのではないかと考えています。

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