末吉竹二郎:技術はあるのに、置いていかれる日本
「自動車の排ガスに含まれるCO2を大気汚染物質と見なす」との歴史的判決が出たのは、2007年4月、早春の米国ワシントンにおいてであった。この訴訟はマサチューセッツ、カリフォルニアなど12の州政府とニューヨーク市など四つの地方自治体、それに13の保護団体が原告となり、米国連邦政府の環境保護庁(United States Environmental Protection Agency:EPA)に対し自動車が出す排ガスに含まれるCO2を規制すべきだとの訴えたのである。
これに対し被告たるEPAは、このCO2は大気汚染物質ではなく、米大気浄化法(Clean Air Act:CAA)の規制対象に含まれないと反論したのだが、判決は大気汚染物質であることは明白だとした。判事の一人は判決後「気候変動がもたらす被害は深刻であり、そのことはよく認識されているところだ」と述べている。これは連邦最高裁判所が地球温暖化に関して初めて出した判決であったが、表決は9人の判事の中で5対4という最小差であった。
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