中国、インドが参戦したウラン争奪戦
輸出規制を撤廃したオーストラリア
ウランをめぐる資源外交が活発になっている。特に、ウランの二大資源国であるオーストラリアとカザフスタンをめぐる争奪戦は激化する一方だ。
オーストラリアは従来、国内3カ所のウラン鉱山に限って輸出を許可する「3鉱山政策(Three Mines Policy)」を採っていた。1983年に、当時の労働党政権が導入した政策で、環境保護の観点と軍事利用を防ぐため、輸出を制限したのだ。以来、オーストラリアは一貫してこの姿勢を崩さなかった。ウランの埋蔵量が世界一にもかかわらず、生産量がカナダを下回るのは、これが原因である。
ところが2007年4月、オーストラリア政府は3鉱山政策を撤廃した。ウラン価格の高騰を受け、「なぜ開発、輸出を行わないのか」と国内で批判の声が高まったからだ。中国やインドから輸出拡大の要請が高まったという事情もある。3鉱山政策を導入した労働党も、新規の鉱山開発を容認することを決定した。
オーストラリアのウランの権益確保に積極的なのが中国である。具体的な権益の状況は情報公開されていないが、中国企業がすでに多くの権益を押さえている可能性は高い。従来、軍事利用への懸念から、オーストラリアは中国にウランを輸出していなかった。しかし2007年1月、同国政府は「軍事転用防止」という条件を盛り込んだ、対中ウラン輸出協定を批准している。これにより中国は、オーストラリアから天然ウラン資源を輸入できるようになった。
インドも、オーストラリアのウラン資源確保に熱い視線を注いでいる。インドは核兵器拡散防止条約(NPT)に加盟していないため、オーストラリア国内ではインドへの輸出の是非をめぐって論争があった。だが、2007年7月、米印両国政府が民生用原子力協力協定に合意したことで、状況は一変した。
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