第2回「環境・エネルギー課題解決のための賢人会議」が開催
11月6日、企業の経営者・役員をはじめとするビジネスリーダーを対象にした「第2回環境・エネルギー課題解決のための賢人会議」が開催された。主催は日経BP社(ECO JAPAN/日経エコロジー/日経ビジネス)。12月に開催されるCOP13(国連気候変動枠組み条約締約国会議)、そして来年の洞爺湖サミットを視野に入れ、日欧米の各界を代表するスピーカーによる講演が行われた。会場となった、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪には、1100人を超える参加者が集まり、講演やビデオメッセージに熱心に耳を傾けた。
冒頭、ナビゲーターを務めるノンフィクション作家の山根一眞氏が、今年6月開催の「第1回賢人会議」についての報告などを行った。続いて、今年10月にノーベル平和賞の受賞が決まったIPCC(気候変動に関する政府間パネル)議長のラジェンドラ・パチャウリ氏が「日本の企業はインドをはじめ途上国、世界の持続的な発展に貢献してほしい」と、ビデオメッセージを寄せた。
続いて開かれた第1部のテーマは、「環境・エネルギー課題解決のための世界の主張」。甘利明経済産業大臣、英国のビジネス・企業・規制改革大臣ジョン・ハットン氏、欧州政策研究所上席研究員のクリスチャン・エーゲンホッファ氏がそれぞれ講演を行った。
最初に登壇したのは甘利経産大臣。「実効性ある将来枠組みの構築に向けて」と題し、わが国が京都議定書の温室効果ガス(GHG)削減目標を達成するため、産業界を中心とする自主行動計画を、引き続き強力に推進していくと強調。ポスト京都においては、主要排出国すべてが参加し、各国の事情に配慮した柔軟かつ多様性のある枠組みが必要であること、省エネの技術を生かして環境保全と経済発展を両立させること――が、わが国の基本姿勢であると述べた。そして「日本が提唱する『クールアース50』を世界の主要排出国に呼びかけていく」と宣言した。
ハットン大臣は、英国がクリーンなエネルギーを安全かつ手に入れやすい価格で供給することを目標とする政策に取り組んでおり、「気候変動という新たな脅威に対し、クリーンエネルギーや、関連する技術に投資することによって、経済性にかなう安全保障を確保しようとしている。適切な炭素市場を設計することが重要で、排出権取引の国際的なネットワーク化も視野に入れている」と強調した。
その後、今年8月のインド取材を元に、山根氏によるIPCCのパチャウリ議長へのインタビューを上映。パチャウリ氏は「温暖化対策は先進国の立場からだけでなく、途上国の貧しい人々への配慮を忘れるべきではない」と繰り返した。
第1部の最後にエーゲンホッファ氏は、欧州連合(EU)の気候変動政策の現状を紹介。2020年までに、EU単独のGHGの排出量を20%削減というEU全体の目標、EUの気候変動・エネルギー政策と行動計画について説明した。特にEU-ETS(欧州連合排出枠取引)のこれまでの経緯や問題点、今後の制度設計などについて解説した。
第2部は「地球規模の課題解決のために企業は何ができるか」というテーマで、東芝の西田厚聰社長、ソニーの中鉢良治社長兼エレクトロニクスCEO、米ゼネラル・エレクトリックのロレイン・ボルシンガー副社長がプレゼンテーションを行った。
このなかで西田社長は「東芝の環境問題へのアプローチ」と題し、中長期的な環境ビジョンとイノベーションによる地球温暖化対策について紹介した。西田社長は「地球内企業」として、2050年に向けた「環境ビジョン2050」を定め、エネルギーとプロダクツ双方からのアプローチについて具体的に説明した。
続いて登壇した中鉢社長は「ソニーのグローバルビジネスと気候変動問題へのアプローチ」と題して、ソニーの環境政策における4つの領域「工場/オフィス/物流」「製品」「技術」「コミュニケーション」での省エネ技術開発や、再生可能エネルギーの積極的導入、現地法人の環境教育に力を注いでいくとアピールした。
最後の講演者として登壇したボルシンガー氏の題目は「GEの環境へのコミットメント――ecomaginationの目指すもの」。エコロジー、エコノミクス、イマジネーションをかけあわせた企業戦略の内容を、研究開発や具体的なGHG削減策、さらには情報公開や公共政策への参画といった側面から幅広く紹介した。
最後にナビゲーターの山根氏が、デンソーインディアのゼロエミッション工場の取り組みをビデオレポートで紹介。まとめで「価値観を変えるための教育が非常に重要であり、企業個別の取り組みを統合してグローバルな知恵にできないものか」と提案した。そのうえで、環境技術で日本がリーダーシップをとる世界を「環業革命」と名付けたい、と締めくくった。
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