このページの本文へ
ここから本文です

原発再評価でウランが投機の対象に

2007年10月30日 16時43分

ウラン価格が一時は20倍に急騰

ウラン価格が高騰し続けている。2000年末には1ポンド(約454g)7.1ドル、その後も同10ドル前後で取り引きされていたが、2004年ごろから価格が急上昇。今年6月には、スポット価格で136ドルを記録した。かつての20倍近くに跳ね上がった計算になる。さすがに行きすぎであると値が下がったものの、その後も70~80ドル前後の高値圏で推移している。

価格高騰の要因には、各国で進む原子力発電の再評価や世界のウラン供給事情がある。ここ1~2年で、米国や中国、インドがそれぞれ、原発の新設・増設計画を発表。需要増が見込まれ、ウラン供給の先行きに不安が広がった。また、ロシアの事情も絡んでいる。冷戦終結後の1990年代から、ロシアは解体核兵器から取り出した高濃縮ウランを希釈して原発用燃料として供給してきた。ところが2006年6月に、「2014年以降は供給を停止する」と発表したのだ。

ウランの生産不足という背景もある。ウランの2大供給国であるカナダとオーストラリアの鉱山で、事故や自然災害が発生し、生産量が減ったり、予定していた生産開始に遅れが生じたりしている。カナダのシガーレイク鉱山では、開発中の鉱山坑内での出水事故により、開発がストップ。2007年末の生産開始予定が、2010年にずれ込んだ。オーストラリアのレンジャー鉱山では、今年の大雨で生産量が減少した。こうした状況下で、予想されるウランの需要増加に生産が追いつかず、供給不足の懸念から価格の急騰を招いたのだ。

投機的な資金の流入も価格高騰を後押しした。2007年7月に、原油などが取り引きされている米国の商品先物・オプション取引所NYMEX(ニューヨークマーカンタイル取引所)でウランの先物取引が始まり、ウランが投機の対象になってきたのである。

記事検索 オプション

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る