長雨続きの土木、ときどき晴れの建築、好天の不動産
建築、土木、不動産の3分野を眺めて、どうしてこうも違うのだろうと思うことがある。市場環境と人材流動性だ。
天候に例えれば、不動産は好天続き。市場の拡大に人材の供給が追いつかず、他分野からも人が流入している。転職支援を手がけるリクルートエージェントのアドバイザーは「1人に対して3社くらいから求人が来ている状況だ」と話していた。人手不足は賃金の上昇につながる。不動産分野の年収水準は、全業種の中でもトップクラスの高さだそうだ。
建築分野は、曇り空にときどき晴れ間が見えているといったところだろうか。都心部における不動産開発の活況や設備投資の拡大を受けて、施工管理の人材が不足している。建築の知識は建物評価で生かされ、設備のノウハウは建物管理で通用することから、不動産分野に転じる人もいる。建築の人材は建築分野の中だけで動くのではなく、外へも行ける環境だ。
これに対して土木分野は長雨続きだ。公共投資額の減少によって既存のビジネスモデルが揺らいでいる。分野内の仕事が少なくなり、ほかの分野からの求人もほとんどない。同じ建設分野でありながら、官(土木)と民(建築)の垣根は高く、土木分野から建築・不動産分野に人が動いたという話は、あまり聞かない。
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