空前のシックハウス集団訴訟に幕、住民は和解金でリフォーム発注へ
大阪市北区に2000年に建てられた分譲マンション「ライオンズマンション」(以下、Lマンション)の一住戸のキッチン。住民のFさんはパーティクルボード製の扉を撤去し、代わりに取りつけた金網を仮の扉として使っている。
かつてFさんは、住戸内の主にパーティクルボード製の床材から出るホルムアルデヒドが原因でシックハウス症候群を発症したという。シックハウス対策として住戸の内装のリフォームに着手したが、キッチンについては未完のまま中断していた。
Fさんを代表とするLマンションの住民20世帯46人は2004年1月、分譲主の大京、設計・施工者の大末建設、床材メーカーのブリヂストンに、同症候群への賠償として計3億円あまりを請求する訴訟を大阪地方裁判所に提起した。シックハウス関連の裁判では空前の集団訴訟だ。
Lマンションは、シックハウス対策に関連して03年7月に施行された改正建築基準法に適合していないが、着工の時期は1999年7月なのでそれ自体は問題ではない。ただ、同法のベースとなった、ホルムアルデヒドなどの室内濃度に関する厚生労働省の指針値はすでに出ており、シックハウス問題の社会的な認知は高まりつつあった。そうした状況などに基づいて、原告側は裁判所にLマンションがシックハウスだと認定させることを目指していた。
この訴訟は今年9月11日、Lマンションが本当にシックハウスだったかはっきりしないまま、被告が原告に解決金を支払う形で和解した。
原告側が和解に応じた理由はいくつかある。その一つは、解決金が原告側にとって悪くない金額だったことだ。それを使って治療や住戸のリフォームに本格的に取り組みたい住民たちの思いには切実なものがあったという。
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