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大前研一:日本語に強いアウトソーシング拠点、大連の研究(後編)

2008年9月24日 15時20分

現在、大連を代表する会社を二つ挙げるとすると、NeusoftとDHC(日本の化粧品会社とは別である)になるだろう。

Neusoftについては前回も簡単に触れた。東北大学のコンピューター学部の教授(現副学長)であった劉積仁氏が作った会社である。東北大学といっても日本の仙台にある大学ではなく、中国東北地方を代表する国立大学である。Neusoftは、もともとは東北大学のある瀋陽に本社を置いていたが、大連にも進出して大成功を収めている。

劉積仁氏は若いころに米NBS(アメリカ連邦標準局)に留学していた。そこで開発に適した環境をつぶさに見てきた。中国から米国に留学した学生は、その学術環境の良さからそのまま帰国しない者も少なくないのだが、彼は帰国して、中国にも米国並み環境を作ろうと尽力した。

折しも、カーオーディオやナビゲーションシステムを作っている日本企業のアルパインが中国でパートナーを探していた。そのときに劉積仁氏とアルパインの沓澤虔太郎社長(当時)が出会ったのである。劉積仁氏はにわか仕込みのプロポーザル(提案書)を手に「我々は資本金1億円くらいの会社を作りたい。ぜひ5000万円出してくれ。自分たちも5000万円出すが、お金はないので汗で出す」と都合のよい訴えをした。

それを承諾したアルパインも大したものだと言えよう。こうして、彼は汗を出して(つまり無報酬で)、大学の教授をやりながら、合弁会社Neusoftを設立したのだ(詳しくは「日中合作―中国No.1ソフト企業誕生の物語」小学館スクウェア、参照)。

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