米国企業に学ぶことなどない
チャールズ・オライリー米スタンフォード大学経営大学院教授に聞く(後編)
成果主義の導入に伴って、社員の会社に対する忠誠心や愛着が徐々に失われている。例えば、新卒で採用した若手社員が3年以内に辞めていくケースが後を絶たない。
米国の人事マネジメント研究の第1人者であるオライリー教授は、社員の育成を放棄してしまった米国企業の多くに見習うことはないと主張。社員の忠誠心や愛着を再び高めるため、人事制度を作り直して社員の育成を再強化せよと訴える。
さらに日常業務のアウトソーシングによって規模が縮小し続ける中、人事部門を戦略部門に生まれ変わらせ、そのトップの経験者が社長候補になるようにすべきだと説く。 (本誌による要約 日経ビジネスマネジメント 中野目 純一)
日本企業の多くは今、従業員の会社に対する忠誠心や愛着が薄れるという問題に直面しているそうですね。こうした状態を改善するにはどうしたらいいのでしょうか。1つのカギは、将来の経営幹部を育てるのか、それとも社外から探すのか、どちらを選択するかです。
米国企業の多くが選んでいるのは、後者の社外から探す方です。それは可能なことですが、社外から雇い入れた人が忠誠心を持ってくれるとは限りません。一方、成長するための機会や課題を自社の社員に与えて、将来の経営幹部へと育成することには、大きな利点があります。まず、社員は会社のことをよく知っている。さらに会社に忠誠心を抱いていることも多い。
社員を育成する方を選んだ場合、しっかりと人事制度を作る必要があります。もし育成した社員を会社に引き留めることができなかったり、育成に努めても社員の能力が向上しなかったりしたら、元も子もありません。相互に補完し合う一連の人事制度が必要なのです。
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