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経済対策の効果打ち消すサブプライム不安

2008年1月22日 17時18分

「18日の米国市場ではダウ運輸株は上昇している。工業株の下げもベライゾン、AT&TとAIGの下げでかなりの部分が説明できる」と語るのは三菱UFJ証券の投資情報部ストラテジスト・吉越昭二氏。要するに、「景気刺激策に失望して下げた、と説明するのはあまりに単純化し過ぎ」というわけだ。

個人向け戻し税と企業向け設備投資減税で合計1500億ドル、円換算で16兆円の緊急経済対策が打ち出された。ブッシュ大統領は就任直後の2001年にも小切手方式による戻し税で景気の悪化に歯止めをかけた経緯があり、今回は規模がそれを上回り、短期間で実施されれば即効性への期待は大きいとされる。しかし、「ブッシュ大統領の演説が終わった頃から株価はマイナスに沈んだ」(外資系通信社)というのが当日のマーケットの反応だった。

日本のエコノミストからも「住宅バブル崩壊を経験しつつある米国経済を救う妙案はない」(クレディスイス経済調査部エコノミスト・白川浩道氏)とか、「サブプライム問題の解決策は減税ではない。的外れ」(三井住友銀行市場営業推進部チーフストラテジスト・宇野大介氏)など、評価は散々。「規模が少ない」「議会との調整に難航しそう」「住宅市場への対策が不十分」など、あれこれマイナス材料も挙げられている。とはいえ「米国の名目GDPの1%に相当し、集中的に実施されれば需要を大きく喚起する効果が期待できる」(バークレイズ・キャピタル)ことは確か。株価が売られる材料とは考えにくい。

18日の米国市場では、サブプライムローン関連の証券化商品に保証を与えてきた金融保証会社(モノライン)の格付けが引き下げられ、株価が急落したことが話題になっており、その連想から保険大手のAIGの株価が急落したという経緯がある。ベライゾンなど通信株がリストラ警戒で売られたのと併せると、経済対策というよりは足元の窮状を材料に売られたと考える方が正しいようだ。

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