森永卓郎:「コンパクトシティ」こそ高齢化社会のトレンド
2011年春に、九州新幹線が全線開通する。現在は新八代~鹿児島中央の区間で営業しているが、残る博多~新八代が開通することによって山陽新幹線とも接続。新大阪から鹿児島中央までの直通列車が運行されることが決まっている。
また、博多~熊本はわずか35分、博多~鹿児島中央も1時間20分ほどで結ばれることになり、九州の交通地図は大きく書き換えられることになる。
九州新幹線の全通により、とくに関西から九州各地を訪問する観光客が増加することが期待されており、地元各県はバラ色の未来を描き、観光振興策を練っているところだ。
確かに、全線開業が九州全体に大きな経済効果をもたらすことは明らかだ。近年開業した北陸新幹線(高崎~長野)、東北新幹線(盛岡~八戸)、九州新幹線(新八代~鹿児島中央)では、開業によって鉄道利用者が3割から5割程度増えている。
交流の活発化による経済効果の拡大、移動時間の短縮による人件費コストの節減、新幹線駅周辺の開発進展などが進むことは間違いない。
では、これによって熊本や鹿児島の町は本当に繁栄するのか。残念ながら、現状のままではそれは難しいとわたしは思うのだ。
実際に、新幹線の中間駅となる熊本市においては、ここにきて悲観的な見方が急速に高まっている。そこには、高速交通網の整備によって、全国どこにでも起こりうる問題が横たわっているのである。
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