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韓国の大宇は米GMの救世主になれるか

2007年7月31日 10時7分

CSMワールドワイドの最新の自動車生産予測では、昨年、自動車生産台数で世界の頂点に立ったトヨタ自動車がこの先も快走する。一方、米ゼネラル・モーターズ(GM)は自動車生産台数ではトヨタに追いつく可能性は少ないが、欧米を中心とした新型モデルの投入、メキシコやインドにおける生産の増強、上海GMの増産などにより、2010年には回復が期待できる。カギを握るのは傘下の韓国メーカー、GM大宇自動車の存在だ。

GM大宇は1997年のアジア通貨危機に端を発した韓国の深刻な経済不況により2000年に経営破綻に追い込まれたが、2002年8月、GMが買収して、再建に取り組むことになった。改革の骨子は、小型車に特化し、輸出に注力して生産増を目指すことにあった。加えて、GMは大宇を通じた商品開発投資を積極的に行い、スズキやシボレーなどグループ企業のブランド名を冠した新車を米市場に積極的に展開してきた。

その結果、GM大宇が生産する車種の北米における販売台数は、2002年にはわずか6万5000台だったが、今年は16万2000台へと急速に拡大する見通し。牽引役となっているのは9400ドル(約112万3000円)から買える小型乗用車シボレー「アビオ」(韓国名は大宇「カロス」)だ。トヨタの「ヤリス」ハッチバック(日本名「ヴィッツ」)の一番低いグレードと比べると2000ドル(約23万9000円)程度安い。

2010年に誕生する新型小型車プラットホームの出来がカギ

GM大宇はGMの世界戦略のカギを握る次期小型乗用車のプラットホーム開発を任されている。その第1弾は「マティス」の土台を支える通称「ミニ」と呼ばれる車台だ。現在の「マティス」は韓国以外でも「スパーク」の名称で中国をはじめ、南米やインドでも生産され、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)向けの攻略車となっている。安全性を高め、デザインや性能も向上した排気量0.8~1.0リットルの新型「マティス」は、この「ミニ」プラットホームベースで2009年春の投入が決まっている。

一方、もう1つのGMの小型車用プラットホーム戦略が明らかになった。GMグループは現在、大宇の「カロス(海外ではシボレー・アビオ)」、オペルの「メリーバ」などが使っている「ガンマ」、オペルの「コルサ」の土台となっているフィアットの「タイプ199」という、それぞれ韓国、ドイツ、イタリアで開発された3つの小型車用プラットホームを持っている。GM大宇の主導で、これら3つのプラットホームは統合され、新たに通称「ガンマ2」として2010年に次世代プラットホームが誕生する。筆者はこの新型プラットホームがGMの将来を左右する大変重要なプラットホームになると見ている。

2012年にはこのプラットホームから世界で100万台以上の自動車が生産されるとCSMは予測する。GMの世界戦略車「カロス(シボレー・アビオ)」と「コルサ」の生産が加わるからだ。生産国も12に増える。特に、低燃費の小型乗用車需要が高まっている北米市場を睨んで、メキシコでの生産が2010年から開始される。その生産台数も将来的には15万台以上に増えるだろう。

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