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最良のCEOは最悪の父親

2007年7月4日 15時19分

1982年に私が来日したころは、よく「日本人の働き蜂ぶり」について取材し、ニュースとして取り上げたものでした。ところがここ数年、アメリカでも労働時間が増加していて、「過労社会」の問題が母国でも脚光を浴びているようです。最近は新聞を開くと、必ずワーク・ライフ・バランス(=仕事とプライベートな生活を両立させるためのバランス)に関する記事が載っており、会社(あるいは自身の収入や地位の上昇)のためにプライベートな生活をすべてあきらめるか、それとも自分の生活に力を入れた方がいいのか、という議論が活発に繰り広げられています。

この国全体が悩んでいる過労問題について、先週アメリカの評論家、ペネロペ・トランク氏が面白い提言をしていました。「CEOよ、親としての責任をとれ!」という見出しのブログを書籍にしたのです。その中で彼女は、例えとしてソニーの会長兼CEOであるハワード・ストリンガー氏のケースを挙げています。彼の奥さんや二人の子供は日本やニューヨークではなくロンドン近郊に住んでおり、そのため単身赴任のストリンガー氏には、ほとんど家族とふれ合う時間がないようなのです。「皆さんこそが僕の家族だ」と、彼は従業員に言ったそうですが。

ストリンガー氏のケースは、決して極端な例でもありません。同じように、GEの会長兼CEOであるジェフ・イメルト氏はこの20年間、毎週100時間も働き続けてきたそうです。「よく頑張っているな、さすが!」とビジネス雑誌はエールを送るけれど、トランク氏はそういった評価はしません。彼女は「ああ情けない」と言い、次のような疑問を呈するのです。

今の世の中、もし貧困な父親が子供を放置したら、「悪い親」として非難を浴びる。これは当然。けれど、会社を経営するために子供を放置したのであれば、認められる。いやむしろ、ビジネス界ではその姿勢が尊重され、理想的なモデルとして褒められもする。どうしてそうなの? 金持ちの子だったら、親の精神的な支えはいらないわけ?

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