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情報セキュリティー対策を「コスト」と考えるな
増谷 洋氏 NRIセキュアテクノロジーズ 社長

2007年4月24日 9時58分

情報セキュリティーのコンサルティングを手がける弊社は、企業のセキュリティー動向に関する全国調査を毎年実施しています。その結果を見ると、日本企業の情報セキュリティー対策のレベルは着実に上がっています。特に2005年4月に個人情報保護法が施行されたことにより、多くの企業が社員の使うパソコンなどに様々なセキュリティー対策を行いました。日本企業の技術的な対策レベルは、世界的にもかなり進んでいると見ています。

ただし、それでも経営トップの情報セキュリティーに対する問題意識は、米国などに比べるとまだまだ低い。例えば米国では大手企業のほとんどが、社内全体のセキュリティーに対して責任を持つ「CISO(チーフ・インフォメーション・セキュリティー・オフィサー)」という役員クラスの担当者を設置しています。一方日本では、CISOを設置している企業がとても少ない。社員のセキュリティー教育や、問題発生に備えたBCP(事業継続計画)の策定なども遅れています。

そして何よりの課題は、PDCA(プラン、ドゥー、チェック、アクション)サイクルを視野に入れた、全社的なセキュリティーマネジメントの整備です。個別の対策に突っ走っている企業が非常に多い。こうした企業は、PDCAサイクルがPとDで止まっていて、CやAが実行できていません。つまり、情報セキュリティーの状況を全社的な視点でチェックして、不十分な部分や運用面の問題点などを改善する「フィードバック」の仕組みが整っていないのです。

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