彼らが日本企業を選ばなかった理由
就職を決めた学生たちが話す本音
景気は回復基調にあるようだが、まだ日本は自信を回復するまでには至っていない。今の日本が経済的に世界を牽引していると感じる方はそう多くないだろう。BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)をはじめとする発展途上国が急速に存在感を増していることや、高度経済成長のシンボルだったエレクトロニクス産業の国際競争力に疑問符がついていることなどが、日本の復活を印象づけられない背景にある。
日本の頭越しに物事が進むジャパンパッシングは、様々な分野でどんどん進行している。国際物流では、日本に国際ハブ港がなくなって久しい。EU(欧州連合)や北米向けのコンテナ船で日本に寄港するのは10~30%に過ぎない。例外はあるが、以前このコラムでも書いたようにアジア諸国では優秀な学生が日本を留学先に選ばない傾向がある。
小手先の改良をいくら重ねても、今の日本軽視は止まらない。流れを変えるために、私が最も重要だと考えているのは人材力の強化だ。時間はかかるかもしれない。だが、だからこそ、今始めなければならない。日本には、優秀な経営者も数多くいるが、全体の平均値を取ると、その国際競争力は決して高くない。社員の勤勉な努力によって、少ないながらも利益が出ているのが現実なのに、自分の経営が優れているからと勘違いしている経営者も見かける。このような企業は人気がなくなり、目指す新入社員の質は次第に低下し、人材力を失って衰退していく。
早く権限委譲して、いかに次の世代に任せるか。これは企業経営における大きな課題であると同時に、日本全体の課題でもある。新しいビジネスモデルや商品を創造できる人材を育て、そうした人を経営者にしなければならない。「そんなことを言われても、権限委譲できる優秀な若手がいないのだ」と嘆く向きもあるだろう。それは人材育成を怠ってきたことのツケに過ぎないことが多い。
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