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映画に見る公共経営

2006年12月15日 15時8分

上山信一 慶應義塾大学教授(大学院 政策・メディア研究科)

映画の題材には、さまざまな職業が取り上げられる。公務員が主役の映画・TVドラマも数多い。数だけでいうと極めて多いのをご存じだろうか。軍事・戦争・スパイ、刑事・警察、裁判・訴訟、さらに革命ものが入るからだ。大統領や議員などの政治家(特別職公務員)もよく題材になる(『ガンジー』『エアフォースワン』『ランダムハーツ』『チェ・ゲバラ--人々のために』など)。

消防士、教師などヒーロー・ヒロインが出やすい職種も題材になる(『二十四の瞳』など)。権力の扱いに悩む王族も公務員・政治家に含めるともっと数は増える(『ラストエンペラー』『セブン・イヤーズ・イン・チベット』など)。そんな中から日本人に身近な作品で公務員の使命感や官僚制の問題がよく描けていると思うものを抜き出してみたい。

1.県庁の星

鼻持ちならないエリート県庁職員が研修でおんぼろスーパーマーケットに出向。「組織図を見せてください」「そんなものうちにはありません。なくてもちゃんと仕事できます」というやり取りに始まるカルチャーショックの日々。踊る大捜査線の織田祐二が主人公、教育係はパートの店員の柴崎コウ。エリート公務員は周りと摩擦を起こしながら、ついに世の中の現実と何が県民のためになるかという職業哲学を確立する。談合や知事職の形骸化、地方議会の腐敗問題などもよく描けており、秀逸の作品。公務員の研修の場としてスーパーやホテルは最適だ。映画『スーパーの女』を研修教材に使う役所も多い。

2.海猿

海上保安庁の潜水士の訓練を通じて人命救助の任務の厳しさを描く。実は僕も大昔、海上保安庁に勤務していた(3等海上保安正)。法律担当で運輸省から出向していただけだが海難救助の現場の緊張感はしばしば感じた。下手をすると命を失う現場で鍛えられてきた海上保安官はいわゆるのんきな公務員とは対極の頼もしいプロフェッショナル。海上保安庁は地味だけどとても頼もしい組織だ。

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