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ソフトバンク「予想外」の苦戦をM&A視点で見ると…

2006年11月27日 16時32分

10月24日に日本でも携帯電話の番号継続制度が実施された。携帯電話会社を変更しても携帯電話の番号が変わらないという制度だ(ただし残念ながらメールアドレスは継続できない)。この制度の施行にあたって、これまで電話番号が変わることを理由に携帯電話会社を変えなかった潜在的な利用者を取り込めるのではないかと期待する携帯電話会社と、逆に利用者が減るのではないかと危惧する携帯電話会社とそれぞれの思惑で準備が進められてきた。

今から3年ほど前になるが、2003年11月24日に番号継続制度が実施された米国では、携帯メールがそれほど普及していなかったこともあって、顧客サービスの悪かった携帯電話会社から利用者離れがおこり、番号継続制度が携帯電話会社の再編の契機になったという経緯がある。果たして日本では番号継続制度によって利用者がどう動くか注目が集まっていた。

各社とも番号継続制度に合わせて新機種の発表など各種キャンペーンを張ってきたが、なかでも業界最下位のソフトバンクモバイルはボーダフォンからのブランド変更もあって、いわゆる「予想外」キャンペーンを積極的に推進してきた。例えば携帯電話の表示画面が90度回転して横長になり、テレビ画像を見やすくする機種の「予想外」な動きをアピールした。そして同キャンペーンの総仕上げとして番号継続制度施行に合わせてアナウンスされたのが「通話料0円」であった。報道によるとこのサービスプランはソフトバンクモバイル社内でもごく一部の人たちしか知らなかったようだ。敵を欺くにはまず味方からというわけだ。

この発表はメディアにも大きく取り上げられ話題をまいた。その点ではメディア戦略としては成功だったといえよう。「通話料0円」といっても基本料があるので無料ではないのだが、「通話料0円」という分かりやすい訴え方により、ソフトバンクモバイルは多くの顧客を獲得することを期待したのであろう。実際、番号継続制度開始後ソフトバンクモバイルに顧客が殺到して契約業務停止となったことが報道されると、一層話題を提供することとなった。多くの人は「通話料0円」というキャンペーンが功を奏してソフトバンクモバイルへの変更顧客が殺到したことと思ったことであろう。

ところが、番号継続制度施行後一週間の結果をみると、ソフトバンクモバイルは転入者よりもむしろ転出者のほうが多いという意外な結末となった。制度施行後の一週間(10月24日~31日)で最も顧客を増やしたのはauであった。転出入の差し引き数は9万8000件増(ツーカーを含む)となった。一方、業界最大手のNTTドコモは7万3000件の減となり、ソフトバンクモバイルは2万4000件減となった。ソフトバンクモバイルは、システム上のトラブルで他社へ変更する利用者の処理が一時停止されたことを考慮すると、実質的にはこれを上回る転出者がいた可能性がある。まさにソフトバンクにとっては「予想外」の結果だった。

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