2006年日経BP・BizTech図書賞、日本の強み復活に役立つ優秀図書3冊を表彰
今年の受賞図書には3つの「I」が共通
2006年11月13日(月)、日経BP・BizTech図書賞の授賞式が東京・丸の内の東京會舘で行われた。この賞は毎年、技術と経営の進歩に寄与する優れた図書を表彰するもので、これまでの5年間で17点が選ばれている。第6回目の今回は次の3点が表彰された(書名五十音順)。
小松秀樹著『医療崩壊』(朝日新聞社刊)
梅田望夫著『ウェブ進化論』(筑摩書房刊)
遠藤 功著『見える化』(東洋経済新報社刊)
小松秀樹氏(虎の門病院泌尿器科部長)
梅田望夫氏(ミューズ・アソシエイツ社長)
『医療崩壊』では現場の医師である小松秀樹氏が、日本の医療現場の危機的現状を分析する。そして、医療の崩壊を食い止め、医療事故を減らしていくには、どのような対策が必要かを提言する。著者は同書を通じて「日本社会の変化」を促しており、そのために強いメッセージを込めたと言う。
『ウェブ進化論』は、新しい時代に入ったインターネットの世界が、仕事や生活、そして社会にどのような変化を与えるかを、専門家だけでなく、より広い範囲の読者に向けて分かりやすく論じたものだ。著者の梅田望夫氏が長年のシリコンバレー生活で得た体験が本書を支えている。
審査委員長の竹内弘高一橋大学大学院国際企業戦略研究科長
遠藤功氏(ローランド・ベルガー会長)
『見える化』の著者・遠藤功氏は、日本各地の現場に密着し、「強い現場」と「弱い現場」という格差が生まれている現状をつぶさに観察してきた。そして、強い現場があるうちに、その力を利用して現場の力を回復すべきことを説く。そうしてこそイノベーションであるという考えだ。
審査委員長を務めた竹内弘高・一橋大学大学院国際企業戦略研究科長は、表彰式の冒頭でこの3冊を講評し、3つの「I(アイ)」で共通点があると述べた。
まず、3冊はそれぞれ、医療、ウェブ、ものづくり、を取り上げているが、いずれもわが国にとって重要な(Important)産業分野である。次に、いずれも非常に切迫感のある分野であり、イノベーション(Innovation)を必要としている。そして最後に、3冊とも現場に密着し(Inside)、現場の声を反映させている、と指摘した。
現場を知っていることが、いかに強みになるか。それを分からせてくれる3冊である。いずれも版を重ね、当該分野のベストセラーとなっていることがその証拠であろう。
日経BP・BizTech図書賞は毎年、技術と経営に関係するテーマを取り上げた図書の中から日経BP社の記者・編集者が候補作十数点に絞り、さらに有識者からなる審査委員会で審議して選出するものである。今年は対象図書約800点から候補13点に絞り、最終的に上記の3点を選出した。
なお、審査委員と推薦委員の構成については日経BP社ホームページ掲載のニュースリリースをご参照いただきたい。(日経BP・BizTech図書賞実行委員会)
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