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米タワーレコードの破産、原因はiPodとは別のところ

2006年9月19日 18時9分

米タワーレコードが8月20日の週末に連邦破産法11条の適用をデラウェア州ウイルミントンの破産裁判所に申請した。2004年に続いて二度目の破産申請である。このまま買い手が見つからなければ、米タワーレコード46年の歴史に幕を閉じることになる。破産裁判所に提出された書類によると、現在のところ2社が買収に興味を持っているようだ。日本のタワーレコードは、2004年の破産法適用時に、米タワーレコードが借金の一部を返済するために日本の経営陣に売却をしているので、今回の米タワーレコードの破産とは直接関係はないことになる。

既に今年の初めから米タワーレコードの経営は懸念されていた。2月から身売りに出されていたが買い手がつかず、しかも8月はじめには米タワーレコードからの支払いが滞ったために、EMI、Warner Music、SONY-BMG、Universal Musicなど大手レコード会社は、新規CDやDVDの出荷を停止したといわれている。ではどうしてこのような苦境に陥ったのであろうか。

米タワーレコード倒産の背景には、ICT(情報通信技術)革命による時代の変化があることに間違いないが、ただし、一部報道でいわれているように、音楽のダウンロードサービスだけが倒産の原因というほど単純なものではなさそうだ。

まず米国の音楽市場規模(2005年)は、123億ドルと前年比0.5%減となっている。CDの売り上げ(2005年)はピークであった2000年に比べて25%も減少している。またCD購入のチャネル別シェアを見ると、タワーレコードのようないわゆるCDショップでのシェアは減少を続け、昨年はついに4割を切るまでに低下した。要は、音楽市場が成熟化し、CD販売は衰退期へ入り、しかもCD販売チャネルとしての小売店はシェアを落としている、といった構図が見えてくる。

もう少し具体的にみると、米タワーレコード倒産の原因は、まずウォルマート、ターゲット、コストコといったディスカウントショップの存在が考えられる。なお日本は少々事情が異なり、スーパーマーケットでの新譜CDの値引き販売はできない。

次に考えられるのが、アマゾンのようなインターネットサイトという販売チャネルである。よく知られているように、ネット書店として成功したアマゾンは、商品カテゴリーの多角化を図り、CDやDVDなどの販売にも参入してきている。これに対抗して、米タワーレコードも遅まきながらネットでのCD販売を始めたり、さらにはアマゾンへのカウンターアタックとしてネットでの書籍販売も始めたりしてきた。

しかしアマゾンがネット書店としての集客力とノウハウをCDなど他商品へ展開したのと異なり、米タワーレコードのネット販売戦略に勝ち目があるとは思えない。いわば顧客にとって、米タワーレコードの提供する価値が見えなくなってきたということだろう。

■詳しくは、bp special「“高付加価値経営”を生み出すITマネジメント」サイトでご覧になれます。

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