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諜報機関のない日本はひたすら富を奪われていく

2006年4月26日 9時21分

IT時代を迎え、あらゆる分野において、情報の重要性がますます高まっている今日。情報収集活動の遅れは、技術面においても軍事面においても、大きな国益の損失として跳ね返ってくる。

はたして、日本の情報・諜報活動はどうあるべきなのか。軍事ジャーナリストの鍛冶俊樹氏のインタビューを3回に分けて紹介しよう。

今回は、日本の情報活動の現状と問題点を指摘する。

■日本に欠けているのは「攻めの情報活動」

――そもそも、日本の情報活動は、どういう部署が担当しているのでしょうか。

鍛冶:
情報活動といっても、日本の場合、諸外国とくらべて非常に遅れているのが現状です。

そのなかで、あえて情報機関らしいところといえば、公安調査庁が挙げられます。ただし、調査の対象は国内に限られています。

それ以外に、多少なりとも情報機関らしき活動をしているのは、警察庁警備局や各警察署の外事課でしょう。外事課は、密入国や麻薬などの捜査を担当する部署で、その過程でさまざまな情報活動をしているわけです。

また、防衛庁には情報本部というのがあり、電波傍受をしたり、情報収集衛星や航空自衛隊の偵察機から送られてきた画像の分析をしています。

さらに、内閣情報調査室では、さまざまな省庁、部署から寄せられた情報を統括して、首相に報告するといった役割を果たしています。

以上の部署が、日本における主な情報機関といっていいでしょう。

その規模は、日本の情報活動の遅れを象徴するように、どこもこぢんまりとしています。公安調査庁にしても、正確な人数は当然秘密ですが、せいぜい100人単位といったところ。この程度の人数では、必然的にできることは限られてしまいます。

――情報活動に携わる人たちは、具体的に、どのような日常活動をしているのでしょうか。

鍛冶:
情報活動というと、毎日が命がけの連続のように想像している方も多いかもしれませんが、めったにそんなことはありません。

情報活動の基本は、まず一般に知られている情報を知ることです。アメリカの情報機関のテキストに「情報の8割は公開情報である」と書かれている通り、公開されている情報を知らなければ話になりません。

そのために、新聞を読むことから始まるわけですが、100人単位の組織だと、新聞を読むだけで終わってしまうことも多いのです。

ところで、この「情報の8割は公開情報である」という言葉は、誤解されがちなので、ちょっと説明を加えておきたいと思います。

日本の一部の人が、よくこの言葉を引用して、「そら見たことか。8割は公開情報で済むのだから、秘密情報機関なんかいらないではないか」というのですが、そうではありません。

むしろ、非公開の情報が2割残っていて、そこが非常に大事なのです。

ですから、実際の手順としては、8割の公開情報をきちんと把握した上で、さらに突っ込んで残りの2割の情報を入手しなければなりません。

その2割は、新聞社で言えば「スクープ」に当たる情報であって、そこを知るため活動がカギになってくるのです。

ところが、そこの活動が、今の日本では脆弱になっていると言わざるをえません。

■詳しくは、こちら「nikkeibp.jp SAFETY JAPAN」サイトでご覧になれます。

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