個人情報保護、過剰反応はPR不足が原因なのか
■例外規定の周知不足より法律の欠陥が問題
前回、個人情報をめぐる過剰反応を取り上げた一連のマスコミ報道と、行政機関で止まらない情報漏えい問題について述べた。今回は1ヶ月前、読売新聞に掲載された記事の中に、混乱する個人情報保護の問題をクローズアップしている部分があるので、ここから話を始めたい。
3月5日の読売新聞朝刊に、個人情報保護法に関して「過剰反応ようやく対策」と題した記事が大きく掲載された。昨年4月の個人情報保護法の全面施行以降、過剰反応が相次いでいる問題で、ようやく政府は関係15省庁の連絡会議を2月末に開き、連携して対応していくことになったと報じた。
読売は新聞社の中でも個人情報の問題について、ずいぶん以前から多くの記事を掲載してきたし、精力的に取材をしてきた。筆者はそれを高く評価している者の一人だ。しかし、今回の記事のまとめ方には正直、落胆を隠せなかった。
その理由は、「ようやく対策」としている記事内容が、「法律の周知不足にも原因」、として総括している点である。記事の要点は次の通り3点ある。
第1は、過剰反応に対して問題を認識した政府が、その対策の協議を始めた経緯と事実。第2は、行政自らがこの法律を盾に情報公開を妨げようとしている問題の指摘。この点の指摘は、まさに的を得たものであり、今後の追跡取材を期待したい。第3は、「例外規定の周知不足が過剰反応を生んでいる」として、この部分に一番大きく紙面を割いて報道している点である。
筆者が特に残念に思うのは、「ようやく対策」とした見出しだ。紙面で一番大きくスペースを割いている「例外規定の周知不足」は、「ようやく対策」などでは決してないからだ。もしこれを対策とするなら、そもそも過剰反応を抑止するために例外規定を対策としなければならない法律自体の欠陥を指摘するべきだった。
内容は次の部分だ。読売の記事で、個人情報の有効利用と保護のバランスを図る手法として「オプトアウト」活用例を図とともに紹介している。これ自体、そもそも保護法が例外規定として条文に持っているものであり、新しい話ではない。この規程をうまく活用すれば、本人の同意を取らなくてもよく、個人情報取扱事業者側の過剰反応の抑止につながる点は確かにある。
筆者のうがった見方をすれば、行き過ぎた過剰対応の振り子を揺り戻すため、省庁がこうした例外規定の活用を報道機関を通して強力に打ち出し、読売はそれを受けた報道をしたのだろう、と推察する。
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