業界別Webユーザー行動特性と対策
第9回 モバイル・サイト(前編)
若年層・女性には楽しさとクチコミで訴求
考える前に親指が動くユーザーが目的にたどり着ける設計を
10代~20代の若年層のユーザーが多いこともあり、着メロ・着うた、ゲーム・サイトやショッピング・サイト、コミュニティ・サイトなどエンターテインメント性が強いモバイル・サイトへの関心・利用頻度が高い(写真1)。また、利用目的が明確でない場合も多い。
(a)「girlswalker.com」
女性向けファッション情報を中心としたサイト。オフラインでのファッションイベントも注目されている。
(b)「モバゲータウン」
若年層の人気が高いゲーム、デコメール、SNSがそろったサイト。
(c)「ゴルゴンゾーラ」
学生を中心とした若年層の人気が高い無料の着メロ・サイト。
サイト内のコンテンツに対しては、論理的に整合性のある正確な情報や簡潔な文章表現などよりも、直感的に感性で「好ましい」と判断したコンテンツを好む傾向がある。このタイプのユーザーをターゲットとするあるショッピング・サイトのユーザー調査においても、文字を中心とした簡潔なコンテンツより、画像や絵文字を多く利用し、「楽しそう」という印象を与えるコンテンツの方が、利用意向が高まる傾向にあった。
このタイプだけではなく、モバイル・サイトの利用頻度が高いユーザーに見られる特徴として、「頭で考える前に手(親指)が動いている」ということが挙げられる。サイトを閲覧している間は常に親指で画面スクロールを繰り返し、目に付いたリンクを直感的な判断でクリックするという行動が比較的多い。
モバイル・サイトを設計する際は、このユーザーの動きを念頭に置き、ユーザーが迷わない動線、あるいは複数のページに遷移しても必ず最終的にゴール(目的とするページなど)にたどり着ける動線を確保することが大切である。
このタイプのユーザーは、掲示板やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などのコミュニティ・サイト、ブログの利用頻度が高いため、最新のトレンドや新しいモバイル・サイトの情報がクチコミを介して広がる割合が高い。モバイル・サイトの中だけではなく、オフラインのコミュニケーションやクチコミも重要な認知経路である。
ユーザー調査でも、「自分のブログを持っており、仲の良い友人のブログを閲覧したり、コメントを残したりする」という発言が多く、オフラインと同様のコミュニケーションをモバイル・サイト上でも実行している。
(後編へ続く)

ビービット コンサルタント
東京大学工学部卒。これまでにメディア企業や製造業、通販業、旅行業などのコンサルティングに携わる。執筆するブログに『ユーザビリティ実践メモ』がある。
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