第5回ディー・エヌ・エー 守安 功 取締役ポータル・コマース事業部長
1年で400万人超える会員獲得
急成長を支えた事業モデルとは
6月6日と7日に開催するイベント「NET Marketing Forum 2007 Spring (Mobile Marketing Conference 2007を併催)」でのイベント講演者にネットマーケティングへの問題意識などを聞く本コラム、第5回は7日13:25~14:05から特別講演「400万人超のNo.1ケータイSNS『モバゲータウン』の利用者特性と媒体力」で講演するディー・エヌ・エー(DeNA)の守安功 取締役ポータル・コマース事業部長。同社は「ケータイの勝手サイト」として無料ゲームとSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を提供する「モバゲータウン」を2006年2月に開設。約1年で400万人を超える会員を獲得し、5月10日には500万人を突破した。最近でも小説などコンテンツの投稿を受け付けるなど、新たなサービスを追加提供し、成長を続けている。講演に先駆け、「モバゲータウン」成功の経緯と、その戦略について話を聞いた。
(聞き手はビジネス局第二開発 新井勇夫)
「モバゲータウン」では、1年で400万人もの会員を獲得しましたが、この伸び率は予想通りでしたか。

守安 ケータイのオークションサイト「モバオク」を立ち上げた際、初年度で100万人の会員が集まりました。その経験から、モバゲータウンも1年で100万人は超えるだろうという自信はありました。しかし、2月にスタートしてから1カ月もたたないうちに、「これは100万人で収まるペースではない」と感じました。5か月後の7月にはすでに100万人を越えたわけです。無料ゲームは、“引き”が強いことはわかっていましたが、さらにクチコミの効果が加わり一気に広がりました。
会員数を増やしていった仕組みについて説明してください。
守安 ターゲットは10代に設定していました。予想通り高校生から広まり、あっという間に会員数が増加していきました。立ち上げ当初は、DeNAが運営するアフィリエイト・サービスの「ポケットアフィリエイト」を利用して会員を集めました。勝手サイトは若者が積極的に使っており、そこでのアフィリエイトから効率的に獲得が進みました。獲得単価は100~150円でした。
クチコミを広げるためには良いサービスにしなければならないのは当然として、「友達を紹介すると得をする」という仕掛けを作りました。モバゲータウンでは、会員になったユーザーは「アバター(モバゲータウン上でのユーザーの分身)」を持ちます。また、モバゲータウンでは、「モバゴールド」という仮想通貨で洋服などを購入できますが、新規会員のアバターは、当初Tシャツに短パンといった軽装をしています。入会時に500モバゴールドを会員にプレゼントしているので、運営側としてまずはアバターを着替えさせることをユーザーに推奨しています。モバゴールドは、DeNAが運営する「モバデパ」と「モバコレ」というモバゲータウン以外のサイトでも、商品を購入した際に手に入れることができますが、モバゲータウンの会員は1人紹介すれば300モバゴールドを入手できます。これだけの金額があれば、アバターの服を2~3着は購入できるので、ユーザーはアバターにおしゃれをさせて楽しむことができます。また、入手が困難なレアアイテムを用意して、限定期間中に紹介した会員にプレゼントすることもあります。秋までは8割が紹介による入会でした。
事業モデルを構築するにあたって重視したことは何ですか。
守安 提供コンテンツが無料ゲームなので、各キャリアの公式サイトではなく、「勝手サイト」で運営していこうと考えました。公式サイトに入ろうとすると、当時は課金モデルを選択せざるをえませんでした。そして、公式サイトでは、既に有力なコンテンツを持つ大手ゲーム会社と同じ土俵で戦うことになってしまう。そのモデルで戦うのは非常に難しいので、勝手サイトを選んだわけです。勝手サイトで運営するとなると、広告収益を得るビジネスモデルとなるので、ページビューを増やさなければなりません。
サイトにはSNSを用意し、コミュニティの場を提供したことも、サイトの利用を促す上では効果がありました。しかし、ただ“場”を作るだけでなく、ゲームからいかにスムーズにコミュニティに入れるかも重視しました。シームレスな連携をうまく作ることがSNSを活性化させるカギだと思います。また、これはゲームならではの特性ですが、RPG(ロール・プレイング・ゲーム)などについては攻略法や裏技について語りたいという欲求があります。そうしたニーズを満たすための場をうまく提供することで、コミュニティが活性化し、人気ゲームも生まれます。
モバゲータウンの利用料金は無料ですが、入会時には自己紹介文を書いてもらっています。また、「サークル」と呼んでいるコミュニティについては、開設できる数を当初は一人1個までとしていました(現在は三つまで)。これらの点は、利用してもらう上でハードルとなってしまうものではありますが、こうした制限を設けることで内容のあるサークルが増え、その分、ユーザーの滞在時間も長くなります。
next: 一部ではテレビCMが効きにくくなってきたという声も聞きますが・・・
あなたのご意見をお聞かせください
- 第5回 ディー・エヌ・エー 守安 功 取締役ポータル・コマース事業部長~1年で400万人超える会員獲得 急成長を支えた事業モデルとは (2007/05/30)
- 第4回 ユニリーバ・ジャパン 三澤久男ビクター 取締役マーケティング本部長~新たなプロモーション手法を「AXE」で導入 CGMをブランド醸成や反応リサーチに活用 (2007/05/23)
- 第3回 日本コカ・コーラ 江端浩人 マーケティングオペレーション ニュープラットフォーム統括部長~ネットやモバイル活用の「土台」は完成 クロスメディアやCGM活用で攻勢かける (2007/05/16)
- 第2回 資生堂 加藤謙二 事業企画部マーケティング戦略室宣伝媒体グループ参事~プロモーションはホームページありき テレビ・ラジオのCMと“キャッチボール” (2007/05/09)
- 第1回 三井ダイレクト損害保険 高崎 誠治 事業部ゼネラルマネージャー~マーケティングの軸足をネットへ移す 夜を徹してとことん議論 (2007/04/18)
- 新サイトへの移行のお知らせ
「NETMarketing Online」がスタート!
この「NETMarketing」サイトは、新たに「NETMarketing Online」として再スタートしました。新しいサイトはこちらになります。 10月25日創刊の専門誌「日経ネットマーケティング」の読者限定サイト「NETMarketing Premium」も開設。今後の情報提供は新サイトで行っていきます。引き続きご愛顧くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。 - ネットとケータイで“売れる”仕組みを作る
月刊専門誌「日経ネットマーケティング」
10月25日 創刊!
創刊記念 特別キャンペーン実施中!
日経BP社は、企業の販売・営業、広告・宣伝を担う方々を対象にした月刊専門誌「日経ネットマーケティング」を10月25日に創刊します。実務に役立つ情報をWebサイトや年2回の「NET Marketing Forum」などと連携してご提供。ご購読は、上記ページからお申し込みください。
- ライトアップ、「Amazon Webサービス」の導入を支援(13:34)
- 動画共有サービス「mixi動画」、動画の投稿数が100万本を突破(13:06)
- ニフティ、BtoC企業向け顧客コミュニケーション支援サービス(13:05)
- Second Lifeで活動する日本企業は85社、半数は参入支援業者(17:14)
- 求人情報の入手先「無料の情報誌」がトップ、ネットを大きく上回る(16:52)
- グーグル、携帯電話でスムーズに地図を動かせる無料アプリを配信(15:38)
- SNS「GREE」の会員数が200万人超に、男女ほぼ均衡、10~30代が9割(13:23)
- 06年飲料市場は2年連続縮小、健康/自然志向でミネラル・ウォーターと野菜飲料が増加(13:01)
- コクヨ子会社、小企業向けグループ・インタビュー調査サービス(12:30)
- リクルート、転職情報誌「とらばーゆ」をWebサイトに移行(11:53)
ネット連動型テレビCMへの反応度調査(後編)
BBCがネット配信開始、NHKも積極的
重要性高まる番組検索技術は一長一短
アマゾンと、ロングテールに関する
“大きな勘違い”
ソフトバンクの増加件数がauとほぼ並ぶ

