第3回花王 Web作成部 石井 龍夫 部長
顧客を囲い込む時代は終わった
コミュニティでのクチコミに期待
インターネットやモバイルによる双方向のコミュニケーションが可能となり、企業と消費者を結ぶ情報発信や情報交換の場が広がった。それに伴い、マーケティング手法にも大きな変革が起こっている。本コラムでは「Web2.0&モバイルが拓くマーケティング・イノベーション」をテーマとして11月1日(水)に開催される「Net Marketing Forum 2006」で登壇する講演者に、講演に先駆けて現状認識や問題意識を聞く。
第3回は、特別講演(専門トラックC)「生活者を取り巻くコミュニケーション環境の変化と口コミのマーケティング活用」に登壇する花王の石井龍夫氏に、クチコミ型コミュニティの現状とその効果、問題発生時の対処法などについて尋ねた。
石井氏は、事業部門で「メリーズ」「ロリエ」「ビオレ」などのブランド・マネジャーを歴任後、新規事業プロジェクトのプロダクト・マネジャーとして、「アジエンス」のブランド創出を指揮。2003年から全社のWeb活用の戦略立案と企画運営に携わり、現在はWeb作成部長を務めている。
(聞き手はネット事業推進センター 井出 一仁)
花王は、インターネット上に消費者主体のコミュニティの場を積極的に提供しています。個人が発信する情報を、企業としてどのように位置づけていますか?

石井 花王のサイトの閲覧者は、ここ2年で2倍に増えました。ところがWeb全体で見ると、実は企業サイトのユニークユーザー数やページ滞在時間が占める比率は確実に下がってきています。数は増えているのに比率が下がっているのは、個人が手軽に情報を発信できるサービスやツールが普及した結果、企業サイト以外でも消費者が商品情報を入手できるようになったからです。
ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)では消費者同士がコミュニティを形成し、日々、積極的に意見を交換しています。メーカーが紹介する会員からの意見ではなく、消費者から自然に発生したクチコミ情報は、「自分にとってはどうだろう」という購入判断の要素になりやすいんです。こうしたクチコミ情報が消費者の役に立つのなら、メーカーが運営するサイトでコミュニティを支援していくべきだと考えました。
メーカーが顧客を囲う時代はもう終わっています。自社サイトや競合サイトの伸びだけを見ているようでは、ネットというトータル・コミュニケーションの場では置いていかれます。
ネット上のコミュニティでのクチコミをマーケティングに利用することの具体的な効果は?
石井 ネット以前からクチコミは重要でした。でも、どこでどんなクチコミが起こっているのかわかりませんでした。
しかし、ネット上で話題になっていればブログ検索エンジンなどを利用して、どこでどんな風に商品のことが語られているのかまで把握できます。日別・月別でどれだけ関心が高まっているかだってわかります。ターゲットが参加するコミュニティがあれば、発売から1カ月以内に消費行動を追いかけ、マーケティング戦略の修正にも早期に対応できます。
next: テレビCMとコミュニティ・サイトの位置づけは・・・
あなたのご意見をお聞かせください
- P&Gジャパン ノースイースト・アジア・マーケティング担当 黒木 昭彦 アソシエイト・マーケティング・ディレクター ~ 消費者はそれを望んでいるか?慣例廃し使うメディアを徹底検証 (2006/10/04)
- ホンダ 宣伝販促部 ホームページ企画ブロック 渡辺 春樹ブロックリーダー~「テレビがナンバーワン」は疑問 効率を比べてメディアを選ぶ (2006/09/28)
- 花王 Web作成部 石井 龍夫 部長~顧客を囲い込む時代は終わった コミュニティでのクチコミに期待 (2006/09/21)
- 全日本空輸 営業推進本部顧客販売部 幸重 孝典部長 - 航空券売り上げはネットが主役 小さな成功を積み重ね社内を説得 (2006/09/14)
- 米デジタル・メディア・ストラテジーズ 織田 浩一 代表・「Ad Innovator」編集長~マーケティングはネットへシフト米国同様にテレビ離れが始まる (2006/09/01)
- 新サイトへの移行のお知らせ
「NETMarketing Online」がスタート!
この「NETMarketing」サイトは、新たに「NETMarketing Online」として再スタートしました。新しいサイトはこちらになります。 10月25日創刊の専門誌「日経ネットマーケティング」の読者限定サイト「NETMarketing Premium」も開設。今後の情報提供は新サイトで行っていきます。引き続きご愛顧くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。 - ネットとケータイで“売れる”仕組みを作る
月刊専門誌「日経ネットマーケティング」
10月25日 創刊!
創刊記念 特別キャンペーン実施中!
日経BP社は、企業の販売・営業、広告・宣伝を担う方々を対象にした月刊専門誌「日経ネットマーケティング」を10月25日に創刊します。実務に役立つ情報をWebサイトや年2回の「NET Marketing Forum」などと連携してご提供。ご購読は、上記ページからお申し込みください。
- ライトアップ、「Amazon Webサービス」の導入を支援(13:34)
- 動画共有サービス「mixi動画」、動画の投稿数が100万本を突破(13:06)
- ニフティ、BtoC企業向け顧客コミュニケーション支援サービス(13:05)
- Second Lifeで活動する日本企業は85社、半数は参入支援業者(17:14)
- 求人情報の入手先「無料の情報誌」がトップ、ネットを大きく上回る(16:52)
- グーグル、携帯電話でスムーズに地図を動かせる無料アプリを配信(15:38)
- SNS「GREE」の会員数が200万人超に、男女ほぼ均衡、10~30代が9割(13:23)
- 06年飲料市場は2年連続縮小、健康/自然志向でミネラル・ウォーターと野菜飲料が増加(13:01)
- コクヨ子会社、小企業向けグループ・インタビュー調査サービス(12:30)
- リクルート、転職情報誌「とらばーゆ」をWebサイトに移行(11:53)
ネット連動型テレビCMへの反応度調査(後編)
BBCがネット配信開始、NHKも積極的
重要性高まる番組検索技術は一長一短
アマゾンと、ロングテールに関する
“大きな勘違い”
ソフトバンクの増加件数がauとほぼ並ぶ

