第2回全日本空輸 営業推進本部顧客販売部
幸重 孝典部長
航空券売り上げはネットが主役
小さな成功を積み重ね社内を説得
ネットサービスを開始することによって新たに生じた課題はありましたか?

幸重 ケータイ向けの情報提供サービスを始めた当初、空港内でお知らせした情報がケータイ向けサイトにはまだ載っていないことがあり、お客様の混乱を招いて、クレームにつながることが少なからずありました。情報の更新に時差があったわけです。空港内の情報、ケータイやPCから取得できる情報、コンタクトセンターで提供する情報などを整合させることの必要性を痛感しました。そこで、システムを構築し直し、情報更新の時差をなくしました。
この問題の解決は大変ではありましたが、結果として、より利便性の高いサービスを提供できるようになりました。これまでは空港に来なければわからなかった遅延情報などが、事前にわかるようになったのです。
Webサイトへの顧客誘導手段として、SEM(検索エンジン・マーケティング)に取り組む企業が増えていますが、国内大手が2社しかない航空業界では、それほど重要ではない気もします。いかがでしょうか?
幸重 当社サイトへアクセスする人の約3割は検索エンジンから訪れています。ライバル会社が少なくても、やはり検索エンジンには重要性を感じますね。社名の「全日空」「ANA」で検索すればトップに表示されるので心配していませんが、「国内航空券」などの関連キーワードで検索した場合、あまり下の方に表示されると、お客様のフラストレーションもたまります。
この3年、SEO(検索エンジン最適化)やSEMには力を入れていて、なるべく検索結果で上位に表示されるように努力しています。しかし、“裏技”を使ったりはしません。検索・表示のアルゴリズムが変わるとしっぺ返しを受けてしまうので、あくまでも“王道”で対応しています。キャンペーンの時期にはキーワードを購入して広告を載せることもあります。
ケータイでの検索は、PCに慣れた人が補完的に使っているのが現状でしょう。公式サイトの重要性は今後も変わらないはずですが、ケータイでのSEOやSEMにも期待できるので、早めに手を打っていくつもりです。
ネット事業を新規に立ち上げる際、社内の意思決定層の理解を得るのが難しいという問題を抱える企業も多いようです。何かアドバイスがありますか?

幸重 全日空では既存のチケット販売チャネルにネットという新しいチャネルを付け加えたわけで、“すみわけ”がハードルになりました。従来のやり方を変えるのは、社内的にも大変なことです。理解を得るためには、具体的な数字を出すことが一番の説得力になります。とはいえ、大きなプロジェクトは、結果の数字を出すまでに時間がかかります。まずは簡単なものから始めて、小さな成功事例を積み重ねていくことが大切です。それを随時、報告し、うまくアピールしていけば、後は数字が社内の見方を変えていきます。
講演では、これまで体験してきた悩みや苦労もお話しします。困難に直面したとき、どのように解決してきたかなど、皆様のお役に立てる内容にできればと思います。
(ライター 加藤 さこ)
幸重氏の講演(専門トラックBの特別講演)は、11月1日(水)13:25~14:05です。聴講には申し込み(有料)が必要です。講演概要・お申し込みのページへは、下のバナーからアクセスできます。
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