TV 2.0への道のり

第5回
番組検索のカギ握るメタデータ作成
家電メーカー、放送局も顧客に

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2007/6/12
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佐々木俊尚

動画コンテンツがオープンになり、人々の間で共有される枠組みが出来上がっていくためには、動画コンテンツを簡単に検索し、入手できるようなアーキテクチャーが存在しなければならない。そしてこのアーキテクチャーにとってなくてはならないのが、「メタデータ」である。番組ごとだけでなく、シーンごとに「何の映像を映しているのか」「何のシーンなのか」「出演者は」「音楽は」「誰が演出しているのか」といったコンテンツの索引を、放映時間、放送局名とともに逐一記録されたものが、メタデータだ。

このメタデータが存在しなければ、膨大な番組を保存できる大容量ハードディスクレコーダーであっても、使い道はない。VHSカセット時代のように、家庭で録画された番組が数本や数十本というレベルであれば、索引を持つ必要はないが、ソニーの「Xビデオステーション」のように8チャンネルの番組を3週間分すべて録画できるような機器が登場してくると、話は変わってくる。メタデータの助けがなければ、それらの膨大なアーカイブから見たいシーンを検索し、切り出すことができないからである。

企業の危機管理ニーズからメタデータ作成が事業化

ではこのメタデータというのは、現実には存在するのだろうか。日本の各放送局は、メタデータをきちんと作成し、公開しているのだろうか。

実は、放送局のメタデータへの取り組みはきわめて遅れている。しかしその代わりに、膨大なメタデータを所有、提供している企業が実は日本国内には1社だけ存在している。社名を「株式会社エム・データ」という。一般にはほとんど知られていない企業だが、しかしこの企業の持っている価値はきわめて高い。

エム・データの設立は2006年1月と新しいが、母体となった株式会社プロジェクトは1987年というインターネット普及前に設立された企業である。プロジェクトはもともとは広告代理店やPR会社、CM制作会社などに対して、テレビ番組のクリッピング業務を行っていた。商品やサービス、顧客企業などがどのようにしてテレビ番組で紹介され、どう扱われているのかをチェックし、顧客にレポートするというビジネスである。新製品が発表された時点や、あるいは不祥事などが報道された時点をとらえて、そこからどのような報道を行われたのかをメディアチェックするような業務もそこには含まれている。

当初は依頼があってから、その依頼にもとづいてワイドショーやニュース番組などをチェックするという体制だった。だが企業が情報のコントロールを望むようになり、そうした背景からメディアチェックへのニーズが急速に高まっていく中、同社のサービスはかなりパンク気味になってくる。膨大な依頼をこなすのが難しくなったのだ。そこで同社はある時期から考え方を転換し、「テレビの報道をデータベース化して、検索を簡単にする」という方法を採用するようになったのである。データベース化を全番組に拡大し、依頼に基づいた番組内容のチェックを簡単にできるようにしたわけだ。

これが株式会社プロジェクトのメタデータの発祥である。

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