第9回
YouTube/HDDビデオの時代に
日本のテレビ局は生き残れるか?
HDDビデオの普及でCM到達率は半減へ
次に、HDDビデオレコーダー普及のインパクトについて考えてみよう。
図2のように、毎月のDVD(デジタル多用途ディスク)ビデオレコーダー/プレーヤーの出荷(フロー)の5割強はすでにHDD付きの機種である。図3の普及率(ストック)でも、出荷実績から考えて、DVDレコーダー普及率4割のうちの5割がHDDビデオであると仮定すれば、すでに2割の世帯にはHDD付きDVDビデオが存在することになる。

※社団法人・電子情報技術産業協会(JEITA)の「民生用電子機器国内出荷統計」より、磯崎哲也事務所作成

※内閣府「経済社会総合研究所主要耐久消費財等の普及率(一般世帯)」(平成18年3月末現在)より、磯崎哲也事務所作成
さらに、HDDビデオを持っている世帯ではCMの半分はスキップされると仮定(注)すると、テレビCMの効率は、すでに5年前より10%は減少していると考えられるのである。
HDDの容量あたりの単価は幾何級数的に安くなっており、今後10年程度でHDDビデオがVTR(ビデオテープレコーダー)並みに世帯の8割強まで普及することは確実である。すなわち、今後10年前後で、実際に視聴者にリーチ(到達)するテレビCMの量が、従来の5割前後まで減るという事態は容易に想像されるのである。

注:
HDDビデオ保有者のCMスキップ率については、あまり影響ないという電通のリポート「DVR普及がテレビ視聴に与える影響について」や、矢野経済研究所のリポート「HDDレコーダーによるテレビ視聴変化 消費者および広告主への調査」などがある。その一方で、8~9割のユーザーがほとんどのCMをスキップしているという野村総合研究所のリポート「HDRユーザの過半数がテレビCM80%スキップ、今年の損失総額は約540億円に」や、英国調査会社のリポート「Dart Survey Highlights Significant Growth In PVR Market」などもある。
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