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ソーシャルネットワーク大統領選挙戦(1)(2005/06/02 織田 浩一=デジタルメディアストラテジーズ社代表)
大統領選はキャンペーン手法のショーケース「欧米での企業ブログのケーススタディ」は高い評価を頂き、日本で行われている企業ブログのセミナーや雑誌記事などでも、事例や成功のためのポイントがよく使われているようだ。去年の終わりから日本でも、企業ブログやブログを使ったキャンペーンの事例が多数見られるようになってきているので、このシリーズでの欧米での事例を紹介するという役割は、一つのステージを終えたような気がしている。もちろん、斬新な事例があればこのコラムで紹介していくつもりであるが、別のテーマでWebマーケティングについて解説を続けたい。 2004年のアメリカでの大統領選挙は、結果的にブッシュの再選で終わった。だが、負けたケリー陣営、民主党内でのレースなどにおいても、ネットを使った様々なキャンペーン手法が採られ、一つの新しい時代の幕開けを感じさせる選挙戦になった。 「1924年は初めてラジオで報道された大会、1954年はテレビ、そして2004年はブログで報道された大会と記憶されるだろう」とよく言われている。この2004年の大統領選挙と、その模様や意見を民主党側、共和党側から書かれた政治ブログの人気から、ブログの読者が一気に増えたのである。そのため、オンラインメディアにおける一つの転換期といってもいいのではないかと思い、このテーマを選んだ。 また、4年に一度行われる大統領選挙は、アメリカ最大の政治キャンペーン合戦であり、その時々の最新の手法やメディアが使われ、その後の企業のキャンペーン手法にも大きな影響をもたらす。例えば、1960年のケネディ・ニクソンの大統領討論会は、TVで初めて中継された討論会だが、この中継をラジオで聞いた人たちの多数はニクソンが勝ったと思い、TVで見た人たちの多数はケネディが勝ったと思ったという。苦虫を噛み潰したような、という表現がまさに当てはまるニクソンの質問への答え方に対して、好青年風な面立ちで難しい質問にもにこやかに答えたケネディ、ということだと思われるが、メディア特性の変化にしたがって、コミュニケーションの仕方を変わってくるという典型的な例だ。 そして、2004年。ブロードバンドは多くの家庭に入り、ブログやSNSも普及している。従来、草の根運動は保守派であれば教会、リベラル派であれば労働組合を中心として行われていたが、それがこのようなソーシャルネットワーク・ツールで、それらの組織を超えた「つながり」が提供され、それがキャンペーンで多用された。草の根が、オンラインのバイラルや口コミと出会い、新たな政治キャンペーン手法を生み出したと言えよう。それらには、企業が参考にできるものも多数含まれると思う。 では、次回から数回にわたって、ソーシャルネットワークを中心に、ネットやデジタルツールなどが、どのように大統領選挙キャンペーンに影響を与え、それらを使ったキャンペーンがどのように行われたのかを解説していきたい。
織田(おりた)浩一
デジタルメディアストラテジーズ社代表、アドイノベーター編集長。米シアトルを拠点とし、欧米の新広告手法・メディアテクノロジー・IT調査・コンサルティングサービス、記事執筆、講演を行っている。コメント、質問はemail@adinnovator.comへ。ブログは、http://www.adinnovator.com/。
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