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第6回 大和ハウス工業「EDDI's House」、Webガバナンスで販売コストを大幅削減初対面から2度目で契約に至った例もEDDI's Houseでは、統一された意図の下に、Webサイトをすべて作り上げるというWebガバナンス的な発想でWebサイトが構築・運営された。その結果、契約までに至る時間の大幅短縮という成果が得られてのである。「住宅の販売は通常、営業マンがお客様のもとへ何度も足を運んでようやく契約に至ります。契約までに何カ月もかかることが多い。しかしEDDI's Houseは契約者の4割が初回の営業から1カ月で契約しています。初対面から2度目に契約というケースもある」(大和ハウス工業生産購買本部企画推進室本多正幸室長)。商談の場を減らし、契約に要する期間を短縮することは、コストの低減に直結する。商品コンセプトの十分な理解をもたらすという、統一された意図のもとに作られたWebサイトがあったからこそ実現した成果だろう。 またデザイナーズハウスという、住宅メーカーとしてはニッチな市場に向けた商品だったEDDI's Houseは、徐々にボリュームゾーンになりつつあるという。これまでの住宅メーカーの顧客層とは異なった、新規市場の開拓という果実ももたらしたことになる。 ただし、軌道修正もあった。サイトの開設当時には、最終的な契約までをWebサイトで実現するという意気込みだった。しかし実際に家を建てるためには、敷地の調査や測量、見積もりといった作業も必要となる。「クリックだけで住宅を売る、住宅のECサイト化はあきらめました」(本多室長)。結局、コンセプトを十分に理解して賛同した人に、資料請求、商談の開始というアクションを起こさせる役割を、Webサイトに担わせた。その成果が、営業コストの大幅カットと新規顧客層の開拓につながった。 ほかの媒体との融合も視野にWebサイトは、ビジターが望んで情報を引き出す、あくまでpull型の情報媒体である。ターゲットとするビジターが、自ら望んで情報を取りに来るような工夫が必要だ。「Webサイトを使ってもらうためにははっきりした訴求性が欠かせない。鈴木エドワードのオリジナルコンセプトによる設計というポイントが非常に強い誘引力になった」と本多室長は語る。住宅の設計コンセプトを理解させ、問い合わせを誘引するという統一目的に合わせてサイト全体を設計した結果、 EDDI's Houseのサイトには、Flashの使用、フレームの使用、別ウインドウの立ち上げなど、ユーザビリティ上の問題はいくつもある。万人に見てもらうWebサイトとしては、改良すべき点が多い。しかし絞り込んだターゲットに向けて、ターゲットビジターだけを相手にするサイトとしては、このような設計も許されると思われる。 入居者の大部分は購入した住宅に惚れ込み、見学者などを紹介すると気に入った点をよろこんで話し、進んで家を見せてくれることが多いという。「夜景も見て欲しいから、お茶をもういっぱいどうぞと、見学者を引き止める入居者までいらっしゃいます。今後、入居者自身がWebを通して、住宅のよさを発信してくれるような仕組みも作りたい」と本田室長は話す。オーラルマーケティング、つまり口コミの力を新たな媒体につなげていくことを考えているわけだ。 他媒体との融合という意味では、Webサイトに加えて、家族との相談など複数の人が同時に検討することを意識して、やはりWebサイトと統一されたテイストのパンフレットや写真集などの印刷物も用意している。Webはコンセプト理解と興味を喚起するための、どちらかというとひとり用のメディアという位置づけと考えているようだ。 ターゲットのニーズをしっかり見極め、Webガバナンスの発想を貫いて、Webサイトの構築・運営を続ければ、 【参考情報】 ■日経BPコンサルティング「Webガバナンス」キャンペーンページ 古賀雅隆(こが・まさたか)
日経BPコンサルティング調査第三部チーフコンサルタント。官公庁、企業のウェブサイトのユーザビリティ、アクセシビリティに関するコンサルティングを手掛けている。『ネット広告ソリューション』(日経BP社)、『戦略ウェブサイト構築法』(日経BP社)などインターネットの戦略的活用法についての書籍やCD-ROMの編集も担当。
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