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第6回 大和ハウス工業「EDDI's House」、Webガバナンスで販売コストを大幅削減(2005/06/27 古賀雅隆=日経BPコンサルティング 調査第三部 チーフコンサルタント)
連載の最後に、Webガバナンスの実現が、ビジネスに好影響を与えた事例を紹介しよう。 これまで紹介したように、ターゲットビジターを設定してWebサイト全体を統一コンセプトのもとに構築した例は、米国の金融サービス「Discover Card」や、オフィス用品のeECサイト「Staples」などがある。いずれも具体的なターゲット像を描いて、そこに向けたWebサイト構築を進め、ECで成果を挙げた例だ。 このようにWebサイトを販売促進のメインツールと位置づけ、成果に結びつけている事例は国内にもある。大和ハウス工業が、展開している「EDDI's House」のWebサイトがその好例だ。本来、Webガバナンスという発想で作られたサイトではないが、商品コンセプトをきちんと説明し、興味を喚起するという目的に合わせて構築されている。統一されたコンセプトのもとに設計・運営を進めた結果、契約に要する期間の大幅な短縮、新規市場開拓に成功した。 モデルハウスなし、営業マンなしで100棟以上の住宅を販売EDDI's Houseは、建築家の鈴木エドワード氏が設計したデザイナーズハウスだ。「家の中に外がある」というコンセプトの住宅である。家の中央に空間を設け、光や季節の変化といった、都会の中でも自然を肌で感じることができる要素を重視するというコンセプトで設計されている。外観はシンプルで、直線的なイメージを持つ。 通常、住宅メーカーの営業は、住宅展示場などにモデルハウスを置き、営業マンが販促に回る。しかし、EDDI's House はモデルハウスがなく、営業マンもいない。Webサイト以外にはほとんど宣伝媒体を置かず、Webだけで住宅という高額商品を売ることに成功した。それも2年余りで100棟以上を販売してしまった。 EDDI's Houseは、Webサイトも建築家鈴木エドワード氏の監修のもとにデザインし、担当部署が一貫して構築を手掛けた。写真と写真の間に置かれた数ミリの白線も、鈴木氏のこだわりで引かれているという。デザイン、運営とも、サイトが完全に統一管理されている。 ナビゲーションを見ると、EDDI's Houseのコンセプトに共感した購入希望者だけが問い合わせや資料請求することを目的に作られていることがよく分かる。トップページからコンセプトや設計のタイプ、契約者の居住ケーススタディといったページへの誘導をメーンの導線とし、コンセプトに賛同した段階で、いつでもコンタクトセンターにアクセスできるように作られている。トップページには「What's EDDI's House?」という初めてのビジター向けのページも用意されている。 サイト構築時には、販売ターゲットの人々の意向も汲み取ったという。まず家のデザイン性を重視し、自分らしさをアピールしたい人々、それも30代前半の都市部生活者に、EDDI's Houseの販売ターゲットを絞り込んだ。販売開始前に予告サイトを立ち上げ、ターゲットに対してパティオ(中庭)をどう使いたいのか、オープンスペースというコンセプトに対する活用提案などをやはりWeb上で募って、その内容もコンテンツに反映させた。 さらに販売開始後には、実際の契約者の居住例や感想なども積極的に掲載し、EDDI's Houseのコンセプトに基づいた暮らし心地もコンテンツとして掲載した。トップページのイメージに始まり、ナビゲーション、コンテンツの一つひとつ、Webサイト内のすべてが、EDDI's Houseのコンセプトを伝えるという意図のためだけに作られている。 next:初対面から2度目で契約に至った例も…
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