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第5回 Webにも必要な全体最適と部分最適(2005/06/20 古賀雅隆=日経BPコンサルティング 調査第三部 チーフコンサルタント)
Webガバナンスという考え方が、ただの規制強化ではないことを理解してもらうためには、Webサイトを活用する上で一番大切な、Webサイトの設置目的を明確にする必要があることを前回書いた。しかし Webサイトの統合管理は、全てのページを一つの部署がにらみを利かせて作っていくということではない。 WebガバナンスつまりWebサイトの統一管理というと、なにもかも規則どおりにきちんきちんと作らなくてはならないと言うイメージを抱くかもしれない。ガチガチの規制を加えることだと思われてしまうかもしれない。だがそれも違う。コーポレートガバナンスにおいては、監視と執行の分離が大切なように、Webガバナンスでも規制の強化が本当の目的ではない。全てをルールで縛ることがポイントなのではない。 もちろん、Webサイトの骨組みや、アクセシビリティなど、ルールを統一して守っていかなればならないものはある。全体に対して最適な解を求める部分だ。一方、コンテンツページの内容や機能の要件は、ビジネスユニットごとに、ターゲットとする利用者に合わせて構成していかなくてはならない。ビジネスのターゲットのニーズに合ったコンテンツ、利便性を高める機能が何であるかは、担当部署が最もよく知っている。部分としての最適解が求められることになる。 ルールの部分、いわば監視の部分はWebサイトの統合管理専門部署に任せ、現場を預かる部署は利用者のニーズ合わせてコンテンツや機能を提供することで、利用者にとってWebサイトをもっと便利で高度なツールにすることができる。これが、Webガバナンスの本当の意味なのである。ナビゲーション方法などのルールが部署ごとに異なっていては、使いにくいWebサイトになってしまう。Webサイトは企業を映す鏡と言われているが、Webサイトを見ればコーポレートガバナンスの現状まで透けて見える。 基本的なルールについては、すべてのビジネスユニットが順守すべきである。基本的なルールは、Webガバナンスの概念の元に、必要な部分について定め、場合によってはテンプレートやCMS(コンテンツ管理システム)を導入することなどで統一管理する。各部署のパワーは優れたコンテンツの作成と、さらに利便性の高い機能の充実に当てていく。これが理想の姿だと思う。 全体最適を求めるべきルールの要素と、部分最適を考えなければならないコンテンツやファンクションの要素をはっきり意識して、Webサイトをビジネスの目的に合わせて運営していくことが、これからは求められることになる。Webガバナンスを完全に実現した事例は非常に少ないが、最近の注目事例を次回紹介しよう。 ■日経BPコンサルティング「Webガバナンス」キャンペーンページ 古賀雅隆(こが・まさたか)
日経BPコンサルティング調査第三部チーフコンサルタント。官公庁、企業のウェブサイトのユーザビリティ、アクセシビリティに関するコンサルティングを手掛けている。『ネット広告ソリューション』(日経BP社)、『戦略ウェブサイト構築法』(日経BP社)などインターネットの戦略的活用法についての書籍やCD-ROMの編集も担当。
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