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第4回 サイトの目的をはっきりさせるにはターゲットを絞り込む

(2005/06/15 古賀雅隆=日経BPコンサルティング 調査第三部 チーフコンサルタント)

意外におろそかにされているWebサイトの目的

これまで、ビジネスユニット単位でWebサイトを構築・運用してきたセクションは、「サイトを統合管理する」と言われるとどうしても強い制約を受けたように感じてしまうだろう。Webガバナンスという考え方が、ただの規制強化のように見られてしまう可能性がある。

単なる規制強化ではないことを理解してもらうためには、Webサイトを活用する上で一番大切な、Webサイトを設置する目的を明確にする必要がある。サイトの目的を明らかにして、目的に合わせてサイト全体を統一的に設計することにより、より高度で効率の良い利用が実現できることを示せばよい。

Webサイトの設置目的の明確化は、サイト設計の基本中の基本である。しかし、それをおそろかにしている企業は、意外に多いものである。

Webサイトを何に使えばいいのか、という問いに対する絶対的な正解はないものだが、企業にとってWebサイトとは、基本的に、Webサイト利用者の情報収集の利便性を高め、購入を決心させるツールだと思う。もちろん、ブランディングやIR、リクルーティングなどにも活用できるが、企業全体の広報・広告戦略のなかのひとつのツールとして明確に設置目的を決めなければならない。

典型的な顧客像を明確化、そこへ最適化する

サイトの目的をより明確にするために、米国で最近利用されてきているのが「ペルソナ-シナリオ分析」だ。Webサイトがメインターゲットとする具体的な代表人格(=ペルソナ)を数人設定して、設計を進める手法である。

まず、Webサイトを使わせたいペルソナを設定する。そしてペルソナのWebサイトを通じた情報収集行動や自社製品の購入にいたるまでの行動特性を洗い出す。そして、ペルソナがゴールと見なす地点を見定めて、Webサイトを設計するのである。ペルソナは何のために、Webサイトをどう使うかを調べ上げ、最終着地点に導く設計をするわけだ。

ペルソナの行動特性に合わせて、Webサイト上では何をどういうタイミングで知らしめ、Webサイト上のどんな機能を使わせるか、そしてビジネスに結びつく行動をどう起こさせるかをシミュレーションする。ペルソナの行動に合わせて、コンテンツや機能を選定し、Webサイトのコンセプトスケッチを描いていくことになる。これは、ソフトウエアや各種機器のインタフェースの設計に当たって使われてきた手法を、フォレスター・リサーチがWebサイトの設計に生かせるように改良したものである。

「製品の設計に当たっては、ペルソナがどう使うかを考えることが大切だったが、Webサイトの目的設定に応用するためには、Webサイトを提供情報や提供サービスのチャネルと見なして分析するという視点が大切だ」とフォレスター・リサーチ シニアアナリストのRon Rogwski氏は話す。単なる性年齢別といったデモグラフィックな属性ではなく、Webサイト上での行動属性に重きを置いて、対象となるペルソナのWebサイトの利用行動に合った情報構造、リンク名の設定などをしていくのである。

「メーンの対象となるペルソナが15~20人にもなることがある。しかし、顧客として重要なペルソナをせいぜい4~5人に絞り込んで設計した方が、Webサイトを高度に利用でき、使いやすくすることができる」(Rogwsi氏)。米国ではIT系企業だけでなく、銀行、大手ECサイトなども、ペルソナ-シナリオ分析でサイトの設定目的を明確にした設計を行っているという。

Rogowski氏が最近この手法で分析に協力した大手ECサイトでは、当初何十通りも設定されたペルソナを顧客としての重要度で3つに絞り込んだ。そしてサイトの設定目的を再確認し、インタフェースや提供する情報内容、提供機能などの見直しを行って5カ月でリニューアルした。その結果、購買率がリニューアル前の4倍に上昇したという。

こういった高度利用の実現のためにも、Webガバナンスという発想が欠かせないことは言うまでもない。

■日経BPコンサルティング「Webガバナンス」キャンペーンページ

古賀雅隆(こが・まさたか)
日経BPコンサルティング調査第三部チーフコンサルタント。官公庁、企業のウェブサイトのユーザビリティ、アクセシビリティに関するコンサルティングを手掛けている。『ネット広告ソリューション』(日経BP社)、『戦略ウェブサイト構築法』(日経BP社)などインターネットの戦略的活用法についての書籍やCD-ROMの編集も担当。
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