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無線IP電話のセキュリティをチェック

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(2006/01/23 藤川 雅朗=日経NETWORK)

IP電話機能を備えた携帯電話機「FOMA N900iL」の登場から1年半。最近は,無線LANを利用したIP電話システムを導入する企業ユーザーが増えているらしい。無線IP電話システムでは,とかく音質や使い勝手が話題になることが多い。しかし,企業ユーザーが無線LANを運用するに当たって最も問題となるであろう,セキュリティに関連した話題はあまり聞かない。そこで今回は,無線IP電話と無線LANセキュリティの関係について考えていきたい。

オフィス利用の無線LANに浸透するIEEE802.1X認証

無線LANはセキュリティに問題があるとよく言われる。ケーブル配線なしで使える無線LANは,便利な半面,電波をキャッチされると盗聴や不正利用される危険性がある。このため,家庭で利用する場合でも,無線LANは暗号化の設定が必須となっている。オフィスで無線LANを利用する場合はさらに,IEEE802.1Xという認証技術を採用するケースが多い。

IEEE802.1X認証とは,ユーザーを認証してLANの利用の可否を決める技術。社内に設置した無線LANアクセス・ポイント(以下AP)を第三者に使わせないようにする。IEEE802.1Xを利用すればさらに,ユーザーごとに異なる暗号鍵(の基となるデータ)を配布できるので,盗聴防止にも役立つ。

IEEE802.1Xは,端末に実装するクライアント・ソフト「サプリカント」と,認証処理をする「認証サーバー」,認証の結果によりネットワークへの接続を制御する「認証装置」で構成する。端末上で動くサプリカントが認証装置に認証データを送ると,認証装置はそれを認証サーバーへ転送して認証処理を行う。認証装置はその結果を認証サーバーから受け取り,端末をLANに接続するかしないかを制御する。無線LANで認証装置の役割を果たすのはAPだ。

実は,このIEEE802.1X認証が無線IP電話の使い勝手を悪くしている。

無線IP電話との併用に難あり?

オフィス内で無線LANを利用する場合,オフィスのどこでも無線LANが利用できるように,チャネル(無線LANの通信に使う電波の周波数帯)が重ならないように複数のAPを設置して面的にエリアを広げる必要がある。こうした無線LANシステムで,携帯電話のように歩きながら無線IP電話を利用すると,ハンドオーバーが起こる。

ハンドオーバーとは,APがカバーするエリアをまたいで無線LAN端末が移動するとき,端末が電波をやりとりするAPを切り替えること。無線LAN端末はまず,自分のいるエリアをカバーするAPと通信を始める。通信したまま移動してそのエリアを外れて別のAPがカバーするエリアに入ると,チャネルを切り替えて近場のAPを相手に通信を継続する。これがハンドオーバーだ。

ところが,IEEE802.1X認証を採用していると,このハンドオーバーに秒単位の時間がかかる場合があるという。単にチャネルを切り替えるだけでなく,新しいAPを介したIEEE802.1Xの再認証が必要となるためだ。この結果,無線IP電話の通話が途切れてしまう。

先の説明のとおり,802.1X認証は認証装置(AP)の部分でネットワークへの接続の可否を判断している。そのAPが切り替わるのだから,どうしても再認証が必要になるのである。

こうした問題から,「無線LANのセキュリティを甘くして使い勝手を優先させる」という考え方も出てくるだろう(そもそも802.1X認証に対応していない無線IP電話機もある)。しかし,それでは根本的な解決にはならない。 [全文]

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